空白

安倍内閣が発足した。
高市早苗氏初入閣で「サプライズ人事!」なんて騒がれていたが、与えられたポストは沖縄・北方・イノベーション少子化なんてなんのこっちゃわからんポジション、全体として発表されてしまえばこれといった感想はない。
各派閥に配慮した卒ない人選は平凡。
というか、強いて挙げれば「教育改革」以外に、これといった政策の表明されていない中での組閣に、期待のしようもないというのが正直なトコロだろうか。

骨抜きになった道路公団改革から意味も意図も不明な首都高速日本橋付近の地下化、金融庁の反発により骨抜きになったグレーゾーン金利の撤廃など、「いやらしい自民党らしさ」が強まっている中での政権交代
郵政民営化に反対して無所属となっている12人の議員も首班指名安倍氏を推し、苦戦が予想される来年の参議院選挙に向けて準備着々、といったトコロだろうか。

これで民意の反映されているとは思えない派閥と族議員の意向に沿った政権運営がなされれば、当然民主党への期待感が高まろうというものだが、肝心の小沢党首は検査入院。
無投票で再選された「小沢新体制」は話題にも上らない。
だいたい、「健康上の理由」により本会議にほとんど出席できない(「しない」とは言わないが)国会議員を選出する選挙区民も選挙区民だし、急場しのぎに任せた党代表が可もなく不可もなくだからといって、再選するほうも再選するほうだと思う。

小泉政権が「劇場型」といささか演出じみた手法で批判もされたが、財政再建構造改革というお題目に対して「郵政民営化」などの具体的政策構想を持ち、それを長年温めていたという面では評価できるのではないだろうか。
どうも安倍氏を見ていると、言うコトは立派だが具体的な方法論を持ち合わせていない、という印象が否めない。
タカ派で右寄りが身上とはいえ、「美しい国」はどうやって作るのだろうか。

いずれにしても政権交代による政治的空白期間が、非常にもったいなく思う今日この頃。
それが短命なら尚更。

アロハロ!/安倍なつみ