まあだだよ

「いつ値上げするの?」と最近よく聞かれるのがガソリンの小売価格。
それって

ガソリン、130円台に上昇=首都圏の店頭価格―卸値引き上げで
5月1日20時2分配信 時事通信
*ガソリンの店頭価格が上昇し始めた。原油高を受けて新日本石油など石油元売り大手が5月の卸値を大幅に値上げしたことなどから、首都圏では1日までに、レギュラーガソリン1リットル当たり数円程度値上げし、130円台前半の看板を掲げる給油所が目立ち始めた。大型連休の後半を控え、家計にとっては予想外の出費につながりそうだ。
みたいなニュースによるものだろうか。
なんかあたかも店頭小売価格が上がったように言われているが、実際の店頭販売価格が変わらない。
それで冒頭の質問になるようだが、それって消費者は小売価格の値上げを既に許容しているというコトだろうか。
なんだか上げていないのが悪いように聞こえてくる。
まあ、それくらい、大手石油元売によるメディアを使った洗脳効果というのは絶大というコトだろう。

ついには「高速道路で給油した方がオトク」なんて怪情報を垂れ流す情報番組まで出現したが、ちょっと待って頂きたい。
東日本高速道路株式会社-NEXCO(ネクスコ)東日本(元の道路公団ね)は、『高速道路は閉鎖的空間であることから、東/中/西日本高速道路の3会社ではお客さまに不利益となることがないよう、給油所の石油製品販売価格の上限価格(ガソリンなどの販売額の上限)を定めています。上限価格には、経済産業省が毎週公表している「給油所石油製品市況週動向調査」の全国平均価格を採用し、毎週土曜日に改定しています。』というコトで、さらに『※「給油所石油製品市況週動向調査」の5月第1週の公表がないため、今回の上限価格の改定は5月11日(土)まで適用されます。次回の改定は5月9日(水)の公表をもとに5月12日(土)に行います』という理由で、4月28日0時〜5月11日24時までの価格をハイオク142円レギュラー131円軽油111円(いずれも1リットルあたり)と設定している。
この値段、近所のスタンドの値段と比べてどうだろうか。

ガソリンの値段には地域的な格差があり、常に高値安定しているエリアでは確かに「高速のスタンドの方が安い」というのもあるかもしれない。
しかしゴールデンウイークに行楽に出掛ける大半の方が住む都市部とその近郊では、果たしてそうだろうか。
都市が大きくなればなるほどスタンド間の競争も激しく、首都圏近郊の実売価格は今日でもレギュラーで120円台後半といったトコロではないだろうか。
それもそのはずエリアの販売価格(特に店頭掲示価格)をコントロールしている業界団体(いわゆる「組合」)はGW真っ只中。
事務局がカレンダー通り動いたとしても、その活動の中核をなす有力組合員(いわゆる「老舗」と呼ばれる会社のオヤジ(社長)と、大手元売から出向している販売子会社の経営幹部の皆さん)はとっくに休暇を取ってしまって、肝心の「話し合い」は連休明けになってしまうからで、いくら元売が能動的に値上げ情報を流したとしても、実売価格の値上げ気運を高めるくらいにしかならないのである。

ところで「給油所の石油製品販売価格の上限価格(ガソリンなどの販売額の上限)」というコトバを見て、「下限」の間違いでは?とは思わないだろうか。
たしかに、他に給油する場所のないSAで「レギュラー1リットル500円」では、利用者からの苦情があるだろう。
しかしSAで日本一売れる海老名SAでさえも、上限価格一杯で販売されている現状はどうだろうか。
東北自動車道の盛岡より北の区間では、冬季の通行止め期間が長すぎて上限価格での運営がままならず、運営が返上されるSAのGSが多々ある。
しかし海老名であれば、企業努力以前に利益が出て当たり前ではないのだろうか。
さすれば、若干たとえ1円でも、上限価格よりも安く販売できておかしくはないハズである。
この、繁盛GSであっても上限価格にベッタリの状況には、「上限価格=下限価格」という暗黙のルールが見え隠れしてならない。
それには、NEXCO(旧道路公団)が売上金のパーセントで「営業料」を徴収している事情があるワケで、利用者は通行料の他に、SAの施設を利用すればするほど余分に費用を徴収されているのだ。
(だから売上を販売業者が勝手に下げるのを、好ましく思わないんですね。)
だから近年SAへのゴミの不法投棄が騒がれていますが、極端に大きな家庭用ゴミ袋とか、粗大ゴミ産業廃棄物の類でなければ、オマエラ黙って処分しろよというのもあります。

ちなみに『経済産業省が毎週公表している「給油所石油製品市況週動向調査」の全国平均価格』なんて言われると「いかにも」なカンジがしますが、コレって全国の販売業者からFAXなどで「今、いくら?」なんてのをヒアリングして作っているワケで、真面目に答えても店頭掲示価格程度。
実勢価格なんて書くワケもないし、時間的なタイムラグも「あって当たり前」のテキトーなものなのです。
(調査を書いてた本人が言うんだから間違いない。ちなみに「物価積算資料(物価版)」の価格算定根拠も似たようなものww)
つまり「全国平均」とは、「実際よりもちょっと高い価格」というのが正確なワケで、それと同値ということは、「高速道路はコンスタントに高い」というコトなのです。
(3ヶ月毎の価格改定だった過去には、一時的に安くなることも確かにあったさ。)

「家計に影響」「GWの財布に打撃」なんてコトバが踊っていますが、仮に10円値上げになって、この週末に1000KM走ったとして、燃費リッター10KMならその差1000円、燃費5KMでも2000円。
そんな、「ハシタガネ」でガタガタ言うんぢゃねえよっ!
とでも言いたい、今日この頃なのです。