1998

『建築確認』という業務が、民間に開放されたのが、1998年のことらしい。
本来21日以内に建築確認をしなければならない業務は、当時2ヵ月以上かかるコトもあったという。
その遅すぎる業務への打開策として当時の建設省が打ち出したのが、確認業務の民間開放。

借りたカネで増資、どころか会社設立資金も借りたカネだったトンデモ会社イーホームズと、出て来た瞬間から胡散臭かった藤田とかいうなんちゃって勝ち組社長。
客から検査料取って建築確認するのが業務とはいえ、自ら検査した物件の瑕疵について責任を問われないのであれば、検査などせずに済証だけ発行していればよい。

そんな利権商売に目を付けたセンスも見事なら、問題が生じるとあっさり廃業して、管轄する自治体にケツ向けるあたりも、やはり『見事』の一言だろう。
当然損害賠償請求は想定されるが、インチキな会社登記から毎期の決算まで面倒をみた『税理士』がいる。
抜かりなく隠してしまって、賠償額が確定したトコロで弁済など到底ムリ、なんてシナリオはとっくに出来上がっているのだろう。

キャラの話題性からヒューザーの小嶋ちゃんばかりが『悪者』にされていたが、ホントに悪いヤツはコイツ、いやコイツを陰で操っている税理士だ、と思うのだが、広報での第一印象を間違うと取り返しのつかないことになってしまう典型例として、心に留めておくことにしよう。
いずれにしても利害の一致する検査を性善説で乗り切ろうとした当初の目論見にこそ、認識の甘さがある。
『カネ』を前にして人間のモラルがいかに無意味かを、知るべきだと思う。

アネハさんの頭髪も『偽装』であったと確認された今、耐震強度偽装事件は過去のものとなりつつあり、極度の強度不足が発覚して使用を禁止されたマンションの住民が、立て直し費用の賠償を求める訴えを起こしても、その認識にあまり変わりはない。
ただ都心一等地の地価が上がり始め、好立地マンションの価格も上昇傾向となって、『投資用マンション購入の絶好期』である今だからこそ、1998年から2006年までに建築されはマンションには注意しろ、と、ここに書き記しておくことにしよう。
自分への備忘録として。

そういえば、昔『プリンス』という歌手が『1999』という曲を出していたっけ。
『プリンス』という名に似合わない、汚らしさだったのを覚えている。