体育会系

『野球』は、本家『ベースボール』を和訳したものから進化して、日本の風土に合わせた異質なものとなった。
WBCで優勝したからとて、『野球が本家ベースボールを超えた』なんては思わないが、それでも『野球』というコトバが日本で使われる場合、その『精神論』はやっぱり『ただのスポーツ』と呼ばれる範疇を超えているだろう。

夏の盛りの風物詩といえば『高校野球』。
全国総合体育大会の一種目が、なぜココまで注目されるのかも理解しがたいが、この時期になると身の回りの『野球人口』の多さに驚かされる。
野球部OB、後援会長、草野球チーム所属、普段からは予想も付かない関係者が、それぞれの甲子園に一喜一憂しているのだ。

どんな企業に就職しても、名の通った高校や大学のOBであれば誰かしら先輩がいるもので、そんな先輩の導きで『なんとかなってしまう』というのも、サッカーには無い特権ではないだろうか。
(まあ前の日本石油のように、上場企業でありながら野球部が出世ラインで決まってしまうというのも珍しいが。合併後の今は無くなったのだろうか。)

ワールドカップにつられて久しぶりに見たサッカーが、おおよそ『のんびり観戦する』には不向きなコトがわかると、盛り上がりのわかりやすい野球と、『負けたら終わり』のスリリングな展開のトーナメント制は、娯楽として良く出来たものだとつくづく実感する。
で、野球部OBの皆様は決まって『息子も野球』というが、それはやっぱり社会に出てからその恩恵を被るコトが多かったからだろうか。
それとも自分が成し得なかった『夢』を託しているのだろうか。

なんにしても、こんな炎天下でよく倒れないものだと、この時期になると毎年思う。