営業力

「営業」というと、スーツ姿で飛び込みをしたり得意先を回ったり、というのをイメージしがちだが、店舗を構えて顧客の来店を待つことも「営業」と言い、これまた立派な「営業」なのだが、「営業力」と言われた時にこちらの店舗の「営業力」を思いつく人は少ないのではないだろうか。
「営業力のある人」と言えばバリバリのセールスマンで、モデル並にカッコいいとか、ついつい引き込まれるような話術を持っていたりとか、アポなしの突撃セールスを厭わないとかそういったイメージで、そんな「営業力」を開発する文献も数多くある。

ただ「店舗の営業力」を開発する文献というと、たいした文献は見当たらない。
店舗の営業力には、立地であったり築年数であったり設備であったり、従業員よりもむしろ経営者側が負うべき努力部分が大きなウエイトを占める場合が多く、社長なり店長なりが従業員にハッパをかけるには「お門違い」な部分が否めない。
だからこそそういった部分を排除してしまって、「他店より高くても来店してもらえるサービスを提供しろ」とか、「設備インフラ以外で自分達ができるサービスを考えろ」とかいったハナシになるのだが、何の商売にしろ最終的に顧客との接点となる「店舗の営業力」を無視しての営業には限界があるだろう。
もともと無理目な立地において大きすぎる販売目標であったり、いい立地にあってもインフラの定期的なメンテナンスを怠ってしまっていたりと、世の中には「もったいない」物件が多い。

世紀の大買収劇から鳴り物入り番号ポータビリティに参戦したソフトバンクが、週末にシステムの脆弱性を露呈してサービスの提供が制限された。
「予想外」だろうか?
週末初日土曜日に障害報告があったとには、ソフトバンク流の広告戦略だと思った。
皆さん0円ですよ、みんなコッチに来ていますよ、と。
翌日の日曜日、さらに昼過ぎからの障害報告で、どうも顧客が殺到しているだけではないと感じた。
週明けの統計データでは、どうやらAUの一人勝ち、ドコモの負け、ソフトバンク沈みの2着らしい。
移籍者数沈み2着でもシステム障害とは、自社内でのプラン変更が殺到したというコトだろうか。

いずれにしてもこの場合、「営業力」に「店舗力」が伴わない典型例で、店の準備が整わないうちに客を入れてしまうのは、マーケティングの世界ではあってはならない大失態だ。
そういえばショップのフロントでは、買収による社名変更から既に取り残された感を訴えていたっけ。
それで話題をさらうのがソフトバンク流?
蜜月関係のハズのフジサンケイグループに契約者減を報じられてしまうとは、さも「予想外」であっただろう。

客が入らないと嘆く店があって、客が入りきらないと嘆く店がある。
人生いろいろだが、トップだけが先行している企業というのは、あまりお付き合いしたくない。

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