亀田の塩試合

年末も差し迫った電車の車内、別々に乗り合わせたサラリーマン2人が何やら言葉を交わしている。
あれ?この2人は知り合いだったのかな?
そう思いながら様子をうかがう。

もともと3人掛けのイスに座っていたのは、高そうなコートをきて「勝ち組」を気取ったサラリーマン。
3人掛けのイスに2人でゆったり座ろうと、かなり周囲に威圧的な態度で座っていた。

ここに後から乗車してきたミスチル似のサラリーマン、狭い隙間にかなり強引に割り込んだ。
慌てて隣りに置いたカバンを膝の上に上げる勝ち組氏。
ところがその座り方が気に入らなかった勝ち組氏、組んだ腕をミスチル氏に押し付けてプレッシャーをかける。
ミスチル氏も負けじと押し返す。
ついには足を組むついでに足をぶつける勝ち組氏。

で、冒頭の会話となる。
どうやら2人は知り合いではないらしい。
正面を向き直ったミスチル氏を、尚も執拗に睨みつける勝ち組氏。
「次で降りるか?」
ミスチル氏の言葉に、停車と同時に席を立つ2人。

サラリーマンは会社が戦場と言うが、リア
ルに闘ってどうする?
そんな師走の世知辛い風景に、実感のない好景気を思う。
あの後、やっぱり殴り合ったんだろうか。