不倶戴天

仙台は光のページェントで有名な定禅寺通り
その定禅寺通り沿いの勾当台公園の裏あたりに、小さな刺繍屋さんがあった。

バイクに乗るトキ着る上着に何か「ヒトコト」を書きたくて、先輩が選んだコトバが「不倶戴天」だった。
意味は分からないがなんだかおどろおどろしいそのコトバはマンガ「キリン」の受け売り。
辞書で引くと、ふぐたいてん【不倶戴天】
[意]相手に対し深い恨み憎しみがあること。
[例]不倶戴天の敵。
とあった。

「キリン」本編に登場するキャラクターが、そのコトバを背中に書いた意図すらイマイチ分からないのだから、それを真似た先輩の意図は尚更分からないし、果たして不倶戴天の敵など居たのかも知る由もない。
ただ「世の中」に対するある種の反抗心というか、怒り、憤り、そういったものが人間をつき動かし、その現れとしてある意味「反社会的」な「バイクに乗る」という行為へと駆り立てている、バイクに乗るコトで具現化させている、そんな風に解釈したりしている。

そういう意味で、ワタシの中の「不倶戴天」がブログを書く原動力になっ
ているのだろうし、それ故このブログは「毒吐き」が基本になっていて、読む人によっては不快感を覚えるヒトも居るだろう。
「毒吐き」故にその執筆意欲は穏やかな心からは湧き出て来ないワケで、睡眠をたっぷり取って平穏な日々を過ごしていると、更新が疎かになったりもする。

あの頃ワタシにとっての不倶戴天は何だったのだろうか。
今ワタシにとっての不倶戴天は何なんだろうか。

ハナシを元に戻して、名前も忘れてしまったけど、そんな若僧のワケの分からないオーダーに応えてくれる、いい刺繍屋さんがあったというハナシ。
で、オマエは背中に何て書いてたんだって?
ワタシは勿論、「青木わかば」デスよ。