24hマック

dubrock2007-05-06


マクドナルドの本業は不動産業であって、ハンバーガーはツールでしかない。
その証拠に「フランチャイズチェーン」と謳っていながら、直営店が98パーセントを占める。
マックより美味しいハンバーガーを提供する、なんて張り合ったトコロで、てんで見当違いなのである。

なんて藤田氏の独裁で全国制覇した頃の魔法はとっくに解けて、今は新社長の下で有名な「作り置き」も廃止し、株価を上げるべく体質改善に日々尽力している。
「最近、変わった」と思うのはワタシだけだろうか。

ともかく、そんなマクドナルドが24時間営業を始めた。
「夜中にハンバーガーなんか食うかい!」
なんだけど、渋滞を避けて夜中にロングドライブをする時など、開いていれば助かることは間違いない。

一般に、店舗が営業時間を延長する場合に、一番問題になるのが「来店客数」であり、今まで営業していなかったのであるから、開けたトコロですぐに千客万来とはいくワケがない。
何軒かの店舗である程度長い期間試験運用してデータを蓄積し、その傾向から「閉店前一時間の来店客数」などを元に営業時間延長の可否を決めることになる。

ただ現場からすれば、営業時間の延長はすなわち就労環境の悪化を意味し、24時間営業ともなれば「夜間勤務」の可能性だって出てくる。
全てのスタッフが営業時間延長に賛成ではない状況では、接客が疎かになったり、酷い場合には営業していたことにして店を閉めてしまうなど、その時間帯の客層の獲得に後ろ向きな行動も十分予想される。

それを個々のモラルとかやる気に訴えて、「皆さんの力で深夜時間帯のお客様を定着させましょう」とだけやらないのがマック流ではないだろうか。
写真はマックのレシートの裏側なのだが、深夜0時から5時まで有効なフリードリンク券になっている。
このレシートロールを本部が配布するだけで、「クーポンを渡せよ」とか「笑顔で告知しろよ」とかいう、現場スタッフ誰一人の手を煩わせることなく、新たに設けた深夜営業時間帯の、顧客の取り込みをしてしまうのである。

原価など限り無くゼロに近い、カップもののソフトドリンクなど、くれてやっても痛くも痒くもない。
しかも「Mサイズ」としている辺りもミソだろう。
この、「客が来るかどうかはこちら(店舗経営側)の問題であって、働いている皆さんは『来た客』についてだけ考えれば良い(決められた接客をすればいい)」という当たり前のハナシが、分かっていない経営者は多い。

こんな紙切れにやたらと感動するのは、タダでジュースが飲めるからだけでは、ないんだよ。