日本版ボートマッチ 「投票ぴったん2007」

「投票ぴったん」(日本版ボートマッチ)は、市民教育と投票アドバイスのためのものです。
ヨーロッパで取り入れられているツールの日本語版というコトで、自らの意見に最も近い政党が分かるというが、「市民教育」なんて自ら言っちまうあたりがいかにも大学教授らしい「上から目線」だ。
ともかく、週末の選挙に向けて注目されているらしいので、早速やってみた。
ちなみに、昨日テレビで扱われた直後はお約束の鯖落ちで開くことすら出来なかったが、メインサイト
http://votematch.jpn.org/
の他にミラーサイト
http://votematch2.jpn.org/index.php
http://votematch3.jpn.org/index.php
それに
http://votematch4.sakura.ne.jp/JapaneseVoteMatch/index.php
というのが用意されていて、個人的にはサクラにアップされている4が軽くてオススメである。

1問目:診療費や薬代など、医療にかかる費用が増えることを防ぐべきである
早速難問だ。
医療関係費の増大は社会保険制度そのものの存続を左右しかねないものではあるが、大病院が大都市に集中するなど提供される医療サービスの地域格差も問題となっている。
一部には診療報酬の水増し請求をするコムスンばりのDQN医師も居るらしいが、現行の診療報酬点数制度では採算面から満足な診療行為を提供できないと嘆く医師もいる。
だいたい、診療報酬点数制度があるからこそ、自民党と医師会の関係が密接なものになっているわけで、代表就任と同時に日本医師会を表敬訪問した小沢イッチャンが、何を手土産にしたかを考えると制度そのものの意義を問わざるを得ない。
過疎地で医療機関を開業する最大のネックになっているのは、医師が求める過大な報酬が少ない患者数では賄えないというよりは、それぞれがイチイチ高い医療器具を各種取り揃えなければならない設備投資負担の方で、これらの選定に影響する接待行為の実態といえば、まさにこの不景気の世の中であっても「カネに糸目はつけない」ものである。(カネに糸目を付けない接待ができるというのはつまり・・・)
で、問の是非についてだが、後述で社会保障費用に関する設問が現れるので(この2問は続けて出すべきだし、順番からすれば問10が先。)どうやら医療費の自己負担額の増加をどう考えるかというものらしく、それはコイズミ改革による生活苦をテーマにするミンスの主張をどう思うか、と考えられる。(かなり作り手の意図が動いている。)
しかしながら自己負担割合を上げなければ受益者の負担意識は希薄になり、介護保険同様制度の破綻を招く危険性があり、かといって民間の医療保険に加入すなければ病気すらできないというのも本末転倒なハナシと言える。
これを一概に「賛成」「反対」としてしまうのはあまりに短絡的ではないだろうか。

設問全部についてイチイチつっこむ気はないが、他にも

6問目:イラクから自衛隊を撤退させるべきである
なんて唐突なのが突然出てきたり、「〜に反対すべきである」という問に「賛成」か「反対」かを問う逆説的な設問もあって、非常に答えにくい。
だいたい、
9問目:憲法を見直すべきである
にYES-NOで答えられる人などいるのだろうか。
そんな中途半端な19の難しい設問に答えると表示される結果は、対立軸を描くべきいわゆる"2大政党"が僅差で並び、永遠の少数派・日本共産党とは、ほとんどにおいてアンマッチという予想通りの結果になった。

ぜんぜん参考にならない。

それぞれの設問について一刀両断にYES-NOを付けられないのは政党も同じコトではあろうが、どんなに意見が近かろうとも、レズビアンの社会地位向上には興味もないし、そういう候補を擁立できる政党の見識をも疑ってしまう。
杉村タイゾーの二の轍を踏まない為に、「以下の議員への得票とはしない」という備考欄を投票用紙に付けていただきたい、そんなコトを思った"日本版ボートマッチ
「投票ぴったん2007」"だった。