サオリン

dubrock2008-01-08


「今まで生きてきた中で、一番幸せ」
92年のバルセロナオリンピックで、当時14歳だった岩崎恭子選手がマスコミもノーマークの状況から突然の金メダルを獲得して、発したコトバに凍り付いた。
んな、たった14年の人生で、「生きてきた中で一番」ってどうよ?と。
あの時感じた違和感は現実のものとなり、あれから15年。
29歳になった岩崎恭子嬢は、水泳の世界ではそれきり名前を聞かず、あの瞬間が今だに「人生で一番」になってしまった。

一度も輝くコトなく一生を終えるヒトがほとんどの世の中で、一度でも輝くコトが出来たのだからイイではないか。
そういう意見もあるだろうが、人生のピークを若干14歳で迎えてしまうというのも、色んな意味でなんとももったいないハナシだと思う。
そういう意味では、ちょうどいい年頃で「陸上競技初の金」を獲得した高橋尚子選手は、とてもラッキーだったのではないだろうか。
様々なスポンサーが付き、あちこちの表彰に呼ばれ、講演に招かれ、まさに「人生のピーク」というものを存分に味わうコトが出来たに違いない。
惜しむらくは「辞めどき」。
「名白楽」なんて言われる小出さんであれば、何故彼女の選手生命に引導を渡すだけでなく、その後の「凌ぎ」についてまでレールを敷いてやらなかったのだろうか。
いくら本人が走りたがっているとはいえ、これではせっかくの「金」もくすんでしまうというものだ。
そんな彼女の足掻きを、非常に残念に思う。

残念と言えば浅田真央ちゃん。
誰が何と言おうと、彼女が一番輝いていたのは2年前。
表現力だルールの変更だと御託を並べたトコロで、「満場一致で金」が取れたのは過去のもの、になるに違いない。
むかし出来たコトすら出来ずに悩む姿を、今後イヤというほど目撃することになるだろうと思うと、4年間もの間ベストコンディションを保つ難しさと、それから「スポンサー」の存在について痛感せざるを得ない。

スポンサーの力と言えば一番は谷亮子選手だろうか。
公言通りにシドニーで取った金は高橋尚子選手の陰に隠れたとしても、続くアテネで取ったらもういいではないか。
「ママでも金」とかは国民はちっとも望んでいないのである。
もういい加減引っ込んで欲しいトコロなのだが、子供産ませてもなお期待せざるを得ない柔道界の人材難なんかは、知ったこっちゃないのだ。

そんな中で頑張って欲しいのが、レスリング女子55キロ級の吉田沙保里選手(25)。
圧倒的に強いというのもあるが、優等生発言に終始しないのもいい。
テレビに初めて出てきた時は田舎くさくて度肝を抜かれたが、最近ではかなり慣れてきたらしく、有体に言えばキレイになった、と思う。
周囲のプレッシャーに押しつぶされそうになって痛々しい浜口京子選手との対比もあるのだろうが、おそらく今年あたりが最高値。
サービス精神旺盛なサオリンには、是非とも今年「金」をゲットして頂いて、さらに「結婚」もゲットして頂きたいと、そう陰ながら思っているのであります。

もちろん結婚後は現役引退、なんだけど、まさか「ママでも金」とか言わないよね?