TOKYO MARATHON 2008

dubrock2008-02-16


今週末、二度目の東京マラソンが開催される。
初開催となった昨年に比べると、やはり二度目というのはマスコミの扱いも落ちるらしく、参加者、もしくは東京近郊に在住している人でなければ、今週末開催というコトすら知らない方が多いようだ。
関係ない人にとって、突如都内の主要部分が封鎖されるこのイベントは、傍迷惑以外のなにものでもない。

だが、「石原のヴォケがいらんコトしやがって〜」と声を荒げるよりも、むしろ年に一度のこのイベントを楽しんで頂きたいものだと思う。
それくらい、このコースは優れている。
新宿の都庁をスタートし、四谷、飯田橋、そして皇居。
東京タワーを眺めながら品川でUターンし、銀座、さらには浅草雷門まで北上し、さらにUターン。
そして築地から豊洲を経由してお台場の隣りの有明東京ビッグサイトをゴールにするという、はとバスの東京周遊でもなかなかないような「名所てんこ盛り」の設定。
スタートから下り坂が続き、名所廻りの為に90度ターンがやたらと多く、最後の「橋」が予想外に上り坂でランナーを苦しめる。
記録を出すにはあまり適しているとは思えないコース設定であるながら、今回の参加申し込みは前回比64%増の156,000人。
倍率4.7倍という、難関大学も真っ青の狭き門を潜り抜け、晴れて「ランナー」となった皆さんの雄姿に、沿道から声援でも送ってみてはどうだろうか。

一般参加者3万3000人。
それに付き添いの家族、大会運営ボランティア、関係者、ゆうに20万人近くが参加する大イベント。
スポンサー企業が殺到し、来年からは「賞金レース」としても成立するのでは、とまで囁かれるほどになった。
その経済効果たるや、「沿線の大学受験、高校入試、タクシー運転手・物流配送業者など、少なからず影響を受ける関係者がいる」なんて懸念がどこかに吹き飛んでしまうくらいのものなのである。

その公式ページ:東京マラソン2008
http://www.tokyo42195.org/index.html
左下、主催の「東京都」のバナーの下に、「東京オリンピック招致委員会」のバナーを見つけた。
オリンピック。
その商業化の流れは年々露骨になり、協賛企業の「オリンピック」をネタにした広告戦略は、もはや「オリンピックに協賛しているから購入しよう」というレベルではなくなった。
関連グッズ、コラボレート商品なども見飽きるくらいに出回っていて、ナニがアマチュアスポーツの振興なのだか分からなくなっている。

もともと、「2回に1回はアメリカ開催でしょう」、「今年が北京なのだからしばらくアジアは無くね?」という逆風、それに、「わざわざ東京で2度もする必要があるのか」と、住んでいる人でも思う疑問。
それらを黙殺して、強行に誘致を進める「オリンピック」なるイベントに、どれほどの経済効果を期待しているというのだろうか。
いや、オリンピックを否定する気などさらさらないのだが、これほどまでに「東京マラソン」が盛り上がるのであれば、それ以外のアマチュア競技にしたって独自開催でソコソコの経済効果を得るコトが出来るのではないかというコト。
独自開催であれば、誘致に東奔西走する必要もない。
諸外国に支援を願い出る必要もない。
それでいて、好きなように企画を練ることができるのだから、これくらいいいコトはないではないかと思うのだ。

その昔、トヨタが冠スポンサーになって欧州と南米のクラブチャンピオンが雌雄を決していた「トヨタカップ」は、ついに「世界のクラブチャンピオンを決定する大会」にまでなった。
ワールドカップとはまた別の位置付けで、世界のサッカーファンが熱狂するイベント。
そんな催事を、毎回東京の国立競技場で開催できるなんて、そんなウマいハナシが実際あったのである。
ならば惜しくも2016年の東京オリンピック招致に失敗した暁には、2014年から4年毎開催の、東京アマチュアスポーツフェスティバル、そんなものを企画してはどうだろうかと思わず夢想してしまうくらいの、東京マラソンの盛況ぶりだったのである。

ちなみに、東京マラソンは後ろに開催年が付記されて、「東京マラソン2008」と表記するのが正式らしい。
主催者以外はどうでもいいコトだけど。