その先の未来へ

緑のオッサン(駐車監視員)
道交法が改正されて、緑のオッサン(駐車監視員)による「駐車違反取締り」が可能になったのが2006年の6月のこと。
当初はポリでもないオッサンに駐禁切られるという事実に納得が行かず、思わず手を出してしまい公務執行妨害に問われるケースも報道されたが、最近ではよっぽどのDQNでもない限り手は出さなくなったようだ。
「手を出すと捕まる」というコトが知れ渡った、というコトだろう。

もともと駐車禁止場所にみんながバシバシ停めていて、付近の道路は大渋滞。
ついには消防車まで通れない道路というのもあって、「誰か捕まえろよ」という風潮に世論が傾いていたのは事実。
二輪車の駐車違反取締り件数
なんとなく利権がらみの気もするが、「駐車違反ばかりを取り締まるのが警察業務じゃない」という言い分に押し切られるように、「駐車違反取締り」の民間委託がされるコトとなったワケだが、この時の改正で「ついで」に取り締まり対象となったのが二輪車(バイク)。
これまで駐禁の対象外というコトで道端に停め放題だったバイクに、急遽法の網が掛けられるコトとなった。
これにより「二輪車の駐車違反取締り件数」は急増。
「バイクも駐禁」はいいけど、停めるトコ(バイク用駐輪場)なくね?
という日本二輪車協会の訴えも虚しく(http://www.nmca.gr.jp/voice/signature_200710.php)、街角に停められているバイクにバシバシと「駐禁」のシールが貼られていったのである。
(ってか、こんなん貼られただけで「駐車違反確定」って、なんだかウソみたいなハナシだよなー。)
あっちゃ〜
「コインパーキングも無いのに駐禁切るってどうよ?」
という声を挙げようかと思ったのだが、軽くググるだけでこんないいサイト
バイクを停めたい。〜バイク駐輪場検索サイト〜
http://sylph.lib.net/bikepark/
(携帯電話からはhttp://www3.to/bikes
を見つけるコトができた。
ケータイから最寄りのバイク駐輪場を検索できるというのはスバラシイ。
っていうか、あっという間にバイク用の駐輪場が整備されていたのである。
(なので、もう今さら「停めるトコ無いのに駐禁切るなよ」は言えないなー。)

緑のオッサンにシールを貼られた、その後の流れはこんなカンジになっているのだが、
その後の流れ
切られる方もバカじゃない。
「コレって『運転者』として出頭すると点数減るのに、『所有者』としてだったら減らなくね?」
という部分に気付き、「所有者としての出頭が増えている」という新聞記事もあった。
それでも、出頭さえしてくれればいいほうだと思う。
行こう行こうと思っているうちに忘れてしまった「ウッカリさん」と、忘れたコトにしてバックれる「えせウッカリさん」の数というのが、結構な数になるのではないだろうか。

フローチャートによれば、そういった不届き者には「車検拒否」も行なわれるというが、じゃあ車検のない250CC以下のバイクはどうなるんだろう。
督促。
そりゃ「督促」も来るだろうが、もともと「駐車違反摘発ばかりが業務じゃない」といいのけた人達のコト。
世間で言われているように、お手紙が数ヶ月に一回来る程度なんだろうか。
「滞納処分による強制徴収(差し押さえ)の対象になります」となってはいるが、果たして小一万程度の違反金徴収に差し押さえまでするかというと、それは「甚だ疑わしい」と言わざると得ないのである。

スピード違反による出頭命令をバックれ続けて、ついにある朝に逮捕状を執行されたハナシも聞いたコトがある。
でも結末は、「本署で違反金払って釈放」というもの。
果たして駐禁でもソコまでやるのか、でもソレって「駐車違反摘発ばかりが業務じゃない」という言い分に矛盾してはいないかと、疑問に思ってしまう検挙件数の急増ぶりなのだ。

最近住民税の滞納者へ「差し押さえ」を予告する自治体が増えたようだ。
特に「攻めの徴収」を掲げる東京都では活発らしい。
身のまわりでも、「差し押さえ予告の赤紙が来た」というハナシは結構耳にする。
そしてそのほとんどが、差し押さえを回避するべく自治体との「和解」に応じる。
これまでの頑なに拒んでいた不払いがウソであるかのように、未納分の分割払いとこれからの支払いを確約しているのだ。
それくらい、「差し押さえの予告」というのは効くらしい。

ココで、1つの疑問が残る。
つまりは、「(彼らは)本当に差し押さえするつもりで、『予告』しているのか」というコト。
ほとんどの人が「予告」の段階で、和解に応じている。
出す側に、「和解に応じるもんだ」という意識はないのだろうか。
そりゃ、テレビで報道されるような悪質な所得隠し、また事業を営んでいての都民税滞納などは、確かに強制執行もありうるだろう。
ただ対象が、「年収200万ソコソコの、これといった財産もないフリーター」だった場合、それでもやるのだろうか。

いずれの場合でも、「強制執行の予告が来た」がお決まりのエンディングであるならば、たまには「その先の未来」が観てみたい気がする、そんな今日この頃なのである。