太平洋の楽園

dubrock2008-02-20


その自慢は、突然始まった。
「来月な、フィリピン行ってくるんだよ。2週間ちょっと。なんつったっけ、あの島。そのなんだか言う島で釣りして来るんだ。船、借りてな。」
マニラから飛行機でどうこう言っているから、その「島」ってミンダナオ島のコトだろうか。
「航空券だって安いんだよ。片道10万もしない。アッチの滞在費だって、1万も出せば結構なトコロに泊まれるらしいし。もちろん朝食付きな。」
ん〜、別に朝からコーヒーとトースト出されるコトに、それほどのメリットがあるとも思えないが、「とりあえず泊まるだけ」の安宿ではない、と言いたいらしい。

このオッサンは去年、還暦のお祝いに「一度行ってみたかった」海外旅行、カナダ一週間の旅に行ってきたばかりだ。
海外に行ったコトもない。
英語はもちろん喋れない。
だから日本の旅行会社のパックツアー、それも添乗員が四六時中同行し、行きも帰りもJALの飛行機。
しめて総額100万円也という、まあ熟年旅行を画に描いたようなツアーだったのだが、それでも安心できずに出発まで毎週のように旅行代理店に出向き、「念のため」とVISAカードを作り、文字通り「パンツに現金を隠して」の旅行だった。

それに味をしめたのか、今回はまた随分と旅慣れた設定。
何となれば「トランジットで」と言いかねない勢いのフリープランなのだから、「百聞は一見にしかず」とはこのコトだろう。
ついこの間まで、「旅行中のパンツはどうやって洗おうか」と言っていた60のオヤジが、だ。

それにしても、浮世を離れ南国の楽園で釣り三昧、それも常識外れの長期滞在とは、いくら隠居ジジイとはいえなんとも羨ましい限りである。
行けないワタシは悔しまぎれに日本新発売のFIJI Water(フィジーウォーター)でも飲んで、せめて気持ちだけでもリゾート気分を味わおう。
そうだそうしよう。

あー!
リゾート、行きてぇー!