アナタ、ブラックですよw

dubrock2008-02-23


「法律に反するが、処罰されない」、いわゆるグレーゾーン金利の廃止に伴い、これまでに払い続けてきた金利のグレーゾーン部分の返還請求、すなわち「過払い金返還請求」がサラ金利用者のトレンドになっている。
この、「これまで取ってきた利息制限法を超える金利部分」については、サラ金業者にとっては「返還請求をされなければ特段にさかのぼって返す必要もない」類いのものなので、利用者の返還請求は当然のコトながら殺到する。
この返還請求により大手消費者金融の決算予想が「大幅な黒字」から「赤字」に転落したのもこの理由だが、中身をよくみると「(当該金額を)引当金に充当した(つまり「特別損失に計上した」)」というものなので、「実際に支払った(または「支払いが確定した」)」という金額ではないというコトに注目したい。

それくらい、27%の約定金利はオイシかった、というコトだ。

大手のように「今期決算が大幅に下方修正されます」で済むならまだイイ。
小手ともなればこの返還請求で倒産しかねない、というか、「それが分かっているのだから早いうちにこの会社は畳んで・・・」と考える方が自然ではないだろうか。
「返還請求によって弁済義務を確認させなければ、債務自体も発生しない」というコトは、つまり「会社を畳まれると宙に浮いてしまう」というコトなので、小手の消費者金融に永年お付き合いのある方には、「早い者勝ち」というコトになる。
ならばとっとと、まずは「取引履歴」の開示を求めればいいのだが、

それでも、利用者が「過払い金の返還請求」に二の足を踏むのは何故か

それは即ち「ブラックリストに載る」即ち「金融ブラックになってしまう」のではないかという不安であるのだが、果たして「ブラックリスト」とは何かを知っているヒトは少ない。
CIC」や「CCB」という「個人信用情報機関」が会員企業と共有している情報が「ブラックリスト」であって、会員企業には消費者金融などの「カネ貸し」の他に、名の通ったクレジットカード会社も名を連ねている。
そして、?「本契約に係る申し込みをした事実」?「本契約に係る客観的な取引事実」?「債務の支払いを延滞した事実」などを登録していくのだから、厳密な意味での「ブラックリスト」、すなわち?だけの集合体という意味合いとはチョット違う。
ただ、直前の?が結果「NG」であれば、次に申し込みをされた会社もまた「NG」とする場合が多いので、事実上の「ブラックリスト」と呼んで差し支えないだろう。

「過払い金の返還請求」は、本来自分のカネを返してもらう手続きであるから、「支払いを怠った」というワケではないのだが、カネ貸しの立場からすれば「不都合な客」であって、「返還請求をされた」という事実を情報共有したいと思うもの。
それで、過払い金の返還請求をした会員については、おそらく?と?にその事実を記載していたのではないだろうか。
これにより、次の審査、つまりクレジットカードの申し込みであったり自動車ローンの申し込みであったりに、結果が影響する。
影響するというか、直近の返還請求なら、オレが担当者なら結果は「NG」とするだろう。

このコトを重く見た金融庁から、

過払い金の返還請求の事実については、個人信用情報機関への登録はするな

という異例のお達しが出た。
なのでこれまでの登録について削除されるかどうかは微妙だが(ちなみにCICの場合??の登録期間は5年とされている)、これからについては登録されなくなるのではないだろうか。

ともかく、このハナシを聞いて「ブラックリストに載らないならば」と喜び勇んで弁護士事務所に出掛けて行った、いわゆる多重債務のナイスメンがいる。
本音は「過払い金の返還請求くらいなら自分でできる」であり、そのナイスメンにもその方法の仔細については伝えたつもりだったが、「弁護士事務所に行ってきた」と張り切って言われたのでそれ以上は言わなかった。

その弁護士事務所の顛末というのが・・・
もちろん「相談」という名目で事務所を訪れる。
この段階で費用は良心的に「無料」だった。
それから、現在の収入状況、借り入れ先と金額、支払いの状況などを書かせられる。
これもまあ、当たり前の流れ。
そして、「これでは生活苦しいですよね?大変ですよね?」と畳み掛けられ、
「こちらでぜんぶおまとめして、60回くらいの返済にしますから・・・」

ん??

ソレは債務の任意整理では?

ナニ?

違いが分からない?

なんとなく「過払い金の返還請求」ではないような気がしたけど、押し切られた?

「大変ですよね?」って何度も聞かれて?

それで?

「お願いしてきた」?

「過払い金の返還請求ならブラックにならない(かも)」とは言ったが、「任意整理」したら載るよ。
間違いなく「載る」よ。

ダメじゃんw

諦めきれない”ナイスメン”がしつこいので、とりあえず手ごろなクレジットカード見繕って、申し込みさせた。

その結果は・・・

もちろん、「今回は残念ながら・・・」w

労せずしてブラックリスト入りしてしまった”ナイスメン”。
「型に嵌められる」とはこのコトであり、じゃなきゃ多重債務に陥るコトもない。
画に描いたような「葱背負った鴨」と、ソレを見事に吊り上げる弁護士センセー。
巧いモデルを作ったもんだ。
結局、ひとたび毟られる側に回ると最後まで毟られてしまうという、格差社会の典型のような結果に終るのであった。
ソレを「ズルイ」と言うべきか。
それでもサラ金から督促来なくなって良かったじゃないか。
いやいや、「代わりに弁護士から督促されてる」って?
やっぱり「自分でしない」のが一番悪いのである。

トコロで、「過払い金が返還されれば、借金は半分になる」ってハナシ。
あれはいったいどうなったんだい?w