聖域の崩壊

dubrock2008-02-24


床屋(理容師)とパーマ屋(美容師)の決定的な違いはなんだろうか。
些かジジくさい「床屋」に対して、洗練されて洒落た仕上がりが「パーマ屋」。
オヤジが行くのが「床屋」で、ママンが行くのが「パーマ屋」。
定義はイロイロあるだろうが、『カミソリで顔を剃れるのが「床屋」、剃れないのが「パーマ屋」』というのが王道だろうか。

カオに生えてくる毛はヒゲだけとは限らないワケで、そんな「顔剃り」まで含めたサービス全体をもって、「わざわざ床屋に行く醍醐味」とするならば、最近の低価格路線から「顔剃り」をないがしろにする床屋は言語道断であるし、低価格ゆえに「顔剃り」をしない床屋などは本末転倒だろう。
当方は人並み以上に濃いヒゲの持ち主であって、それゆえ床屋の「顔剃り」には並々ならぬ期待があって、またその評論においても一言ある身である。

男性の「顔剃り」は女性よりも力強く、カミソリ負けの危険性が高い。
女性の「顔剃り」は刃の当たりもマイルドで、安心して受けられるのだが、深剃りが期待出来ず「剃り残し」の頻度も高い。
時たま男性でもマイルドな刃当たりの仕事をする人もいるが、あいにく男色の気はないので、それはそれで微妙だったりする。
新人は仕事が丁寧だがトータルとしては下手くそ。
対してベテランは、雑なようでいてツボを押さえた仕事をする。

総合すると、「男性」の「ベテラン」が「顔剃り」をするトコロがベストというコトになるが、「顔剃りは新人の仕事」という風潮もあって、この「マスター自ら顔剃り」の店はなかなか無い。
また、これの対極にあるのが「新人」の「女性」なのだが、そんな若い娘さんが居るのにオッサンの顔剃りでは、それはそれで損した気分になるから男性心理は難しい。
そこへいくと「ベテラン」の「女性」というのは、大外しがなく「安牌」といったトコロだろうか。

ここ最近は、カットはともかく「顔剃り」を軽視する店を転々としてきたのだが、最近ようやく「ベテラン」の「男性」が丁寧な仕事をする店を見つけた。
料金は周辺でも上の方なのに、それでも気に入って通っていたのだが、今回はアゴを血だらけにされた。
オヤジは「肌が荒れていて…」と言い訳していたが、顔中ヒリヒリの割には剃れていない。
そのコトに気付いたのは、翌日「四枚刃のカミソリ」で自らヒゲを剃った後だった。

「四枚刃のカミソリ」が三枚刃に比べてもまた一段と進化した、というハナシは前にも書いた。
その四枚刃の仕上がりというものは、ついに「プロを越えた」と言っても差し支えないというコトだ。
深く剃れ、剃り残しなし。
それでいて、カミソリ負けしない。
オロナインとメンタムが必需品の「プロ」など、お呼びでないレベルなのだ。

こうなると、わざわざ料金の高い床屋に行くコトも、いや「床屋」にいくコト自体の、意味合いが無くなってくる。
なにせ「自分でやったほうがイイ」のだから。
床屋でも、むしろ「四枚刃のカミソリ」を使ったほうがイイ、と言うべきだろうか。

そのうち、「T型カミソリでないと剃れない」と言う床屋が出て来るかも知れない、と考えていて、その昔「テフロン加工のフライパンじゃないと玉子焼き作れない」と宣った女を思い出した。
ニューアイテム「マーブルコートフライパン」は、それらとはまた別格のもの、という、そういうハナシ。(違