テンポアップベースボール

dubrock2008-03-24


パ・リーグからプロ野球シーズンが開幕した。
今シーズンの課題は、「試合時間の短縮」だそうだ。
過去10年の平均試合時間3時間18分を、「3時間6分」にするのが目標という。
何故「3時間」ではなく「3時間6分」なのか。
いやむしろ、「2時間55分」にすべきではないのか。
それでは、午後6時プレイボールでも、午後9時に終わらないではないか、と思うのだが、とにもかくにも「短縮しよう」という姿勢だけは認めたいと思う。

プロ野球中継の視聴率低迷が表面化し、優勝決定前から放映権のあるテレビ局が「実況中継すらしない」というコトも珍しくなくなった。
その要因の一つに、この試合時間の長さがあると思う。
緩慢な守備交代の間、スポンサー企業のCMが流れる。
このコトは民間放送を視聴している段階で、双方合意のことだろう。
トイレに行くにも、台所からビールを取って来るにも、ちょうど良いタイミングとなる。

問題はこの後だ。
トイレも済ませ、ビール片手に戻ってきて、試合再開。
と同時にピッチャー交代。
「投球練習の間、もう一度コマーシャルを」
なんて画面が切り替わり、見たくもないCMを見せられる。
ようやく試合再開と思いきや、こんどは「代打」だ「代走」だと、またプレーが中断される。
あんまり間延びするので他チャンネルをザッピングし、再び戻ってくると試合は山場を越えていた。
なんてのでは、誰が観たって「つまらない」だろう。

テレビならチャンネルを変えれば済むハナシだが、わざわざ野球場に出向いてはそうもいかない。
試合そっちのけで大騒ぎするコトに「楽しさ」を見出したヒトならともかく、昔ほどのオーラもない三流選手のチンタラプレーに付き合わされるのは、真っ平ゴメンなのである。
これでは視聴率も、観客動員も、低迷して当たり前なのだ。

その昔「大相撲は『大相撲ダイジェスト』で十分」というコラムを読んで、えらく感銘を受けたコトがあるが、野球だって開幕戦や優勝決定戦など除けば、144試合のレギュラーシーズンのほとんどは「プロ野球ニュースで十分」ではないだろうか。
(「結果だけ分かればイイ」では、プロスポーツとしては成立しないのかも知れないが。)

ゴルフは、最終日の上がり3ホールだけに注目した試合中継が定着した。
サッカーも、「なんとなく」時短された中継が一般的だ。
野球だけが「リアルタイム中継」でなければならない理由など、ドコにもないハズなのだが。

ところで、その昔怪物江川が先発から完投の試合運びになると、8時半過ぎには試合終了というのも珍しくなかった。
疲れを残さないように、先発が好調でも「中継ぎ」「抑え」とピッチャーを継投させるのが今風の野球というが、これといった見せ場でもないのに時間を掛け過ぎる選手が多くなったとも思う。
(彼らがこれ以上早くプレー出来ないのであれば、また先発ピッチャーが9回まで投げるコトが、そんなに投手の肩を痛めるのであれば、いっそ7回裏でゲームセットにしてしまってもイイ。)

同点のまま延長戦になったとかでもない限り、試合は8時55分までに終わるコト。
そして中継は、8時から8時55分までの枠でダイジェストを。
それが、低迷する視聴率アップの方策であり、ひいては観客動員の増加になると思うのだが、どうだろうか。

それから、これはサッカーでも言えるコトなんだけど、「プロ」に応援は要らないとつくづく思う。
「プレー」を「魅せ」て「カネを取る」のだから、カネ払って応援に来る「サポーター」の「サポート」が無ければ「勝てない」、「本来の力を発揮出来ない」なんて、言ってて恥ずかしくないのかと。

そのコトと、「(観戦するよりも)応援するコト」に楽しさを見出したヒトたちのコトとは、また別のハナシではあるが。