手入れしていないラフだな

dubrock2008-05-01


昭和の日の朝、テレビを点けるとオヅラさんが、「自衛隊施設内にあるゴルフ場」について言及していた。
おそらく本番前に読んだニュースソースはコレ([自衛隊]基地や駐屯地に専用ゴルフ場 全国11カ所-毎日新聞)だろう。
斜に構えてどんなネタにも批判的なオヅラさんが、自衛隊を擁護する発言に終始しているのに、嫁は違和感を覚えたらしい。

オヅラさん、ゴルフ好きだから。

そう言うと、嫁は納得して家事に戻った。
無料、もしくは格安のプレー料金が問題なのか、それとも自衛隊関係者のみに開かれた施設だから問題なのか、話題は「防衛省はナニをそんなに神経質になっているのか」と記事を一蹴し、「一般にも開放したらいいんじゃないですか、ボクはしたいとは思いませんけど」というオヅラさんの結びの一言で締めくくられた。
おそらく、「ゴルフをやる人間なら分かる論理」と言いたいのだろうけど、この「たいした整備もされていないゴルフ場なんかでプレーできるか」は、ゴルフ本来の主旨に照らしてどうなのだろうか。

先日、マスターズゴルフトーナメントオーガスタで開催され、テレビでも中継されていた。
この大会の為に半年以上もクローズとなるオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブは手入れも行き届いていて、トーナメント開催に合わせて咲かせたツツジなど、一瞥しただけで「オーガスタ」と分かるコース管理は流石立派である。
「こういうコースでやってみたい」
ソレはとてもよく分かる心理なのである。

ただ、「オーガスタ」あたりの整備状況を基準にして、河川敷の町営ゴルフコースなんかでプレーできるかという考えは、「ゴルファー」としてあまりに傲慢ではないかと思うのだ。
会社員時代に、なけなしの給料を叩いて参加していた、「接待」にもならない「お付き合いゴルフ」のコトを思い出す。
河川敷の町営ゴルフコースは「平坦だから」と却下。
山間の丘陵コースは「フェアウエイが平らでない」と却下。
パブリックは「手押しカートだから」と却下。
そしてついに、「深いラフ」が名物の山岳コースで、「なんだココのゴルフ場は、ラフの手入れもしていないのか」と当時の上司がラフに入ったボールを掴み上げた瞬間に、「もう二度と御免だ」と思ったものである。

バブルの崩壊とともに、「名門」と呼ばれたゴルフ場も多数倒産した。
残ったゴルフ場も必死。
高級なクラブハウスを有する名門クラブであっても、「ビジターのみでのプレー可能」が当たり前になった。
大事な芝を壊されないように、「フェアウエイであってもリプレース」をローカルルールに掲げ、「(どんなシチュエーションであっても)ボールは置きなおして打つもの」と思い込んでいる旦那衆も少なくない。
そんな旦那衆を排除してしまっては、ゴルフ場の経営自体が成り立たない。
ただ、ゴルフ発祥の地イギリスで開催される全英オープン、その会場に使われるセント・アンドリュース・オールドコースを見るにつけ、やっぱり日本のゴルフ場は、少し違う方向に行ってしまったのではないか、という疑問が湧いてくるのだ。

そんな「典型的な日本の旦那衆」を代表するかのような、オヅラさんの発言。
岩国基地で、米兵とやったゴルフコンペが一番面白かった」
そんなオヤジの思い出話が、思い出されるのである。
なにも、クラブハウスで昼間っから生ビール飲むだけが、「楽しみ」ではないのである。