そうか、憲法記念日だったか

dubrock2008-05-04


世間の認識では、5月3日はもはや「ゴールデンウイークの中の1休日」にすぎないが、一応「憲法記念日」というコトで、全国的に祝日となっている。
郵政選挙で大勝して勢い付いた自民党は、去年8月に国民投票法を成立させ、一気に「憲法改正」へと動き出したが、その後の参院選大敗により具体的な改正への手続きが頓挫しているという。

憲法改正」と言うと『9条』のことが思い起こされ、論点はそれだけと思ってしまいがちだが、どうも自民党のセンセー方の中には、むしろそれ以外に興味関心がお有りの方が多いらしい。
つまりそれが、衆院の優越を認めておきながらも、権限の強すぎる参院のコトらしい。
このことは、参院で野党が過半数を占めるはるか前から指摘されていた、と読売新聞は言うが、残念ながらそんなコトは聞いた覚えがない。
逆に衆院があまりに優越するのであれば、参院の存在意義が希薄になるとか、不要論が浮上するとか、そういった意見の方が記憶に新しい。

衆院には解散があり、「総入れ替え」も有り得るが、参院は解散せず、改選も半分ずつとなる。
小選挙区制」となり、一つの選挙区から選出される国会議員は「一人のみ」となると、投票結果に対する無効票の割合も高くなり、結果はその時のトレンドにより大きく左右されることとなる。
このことから、「民意を顕著に反映しているのが衆議院」とされ、そこから「衆議院こそ参院選に優越すべき」という理論になるのであろうが、当時の民意を反映した小泉政権はとっくに姿を消し、その後の安倍政権すら跡形もなく、あるのは同じ派閥の出自とはいえ、似ても似つかない福田政権。

郵政民営化か否かを問う選挙だ」とまくし立てるコイズミに、「向こう5年間の国会議員をそれだけの理由で、しかも首相の退任まで決まっているというのに任せていいのか」という警鐘を鳴らす意見もあるにはあったが、「あの郵政族議員をとにかく黙らせろ」という意見が圧倒していた。
結局、造反で除籍された郵政族議員はほとぼりが冷めた頃を見計らって復党し、当の張本人は楽隠居。
コイズミにまんまと騙された結果になり、彼のしたり顔が今でも目に浮かぶようだが、こんな衆院を自発的以外に解散させられない現状で、参院に優越させておくこと自体いかがなものであろうか。
ましてその優越を強めようなど、以ての外だと思うのだが。

参院で野党が過半数を取るという、いわゆる「ねじれ」の状態で、新テロ特措法 は一時失効した。
インド洋での給油活動が中断すると、「大変なことになる」と言われたが、結局何にも変わりなかった。
ガソリンの暫定税率を含む税制関連法も失効したが、最も混乱したのは再可決の時だった。
米軍への「思いやり予算」も可決が遅れたが、制度創設以来忘れられていたこの下らない支出について、再検証する良い機会になったと思う。
日銀人事に不同意が続き、総裁職が一時空席になったが、言われているような金融の混乱などあったろうか。
そもそも4回も不同意になったのは、ダメだと言われているのに性懲りもなく財務省OBを推すからである。

むかし衆議院と言えば選挙区選挙、参議院比例代表制
その様に公民の授業で教えられたものだが、この様に制度の変わった今、敢えて憲法を改正するのであれば、優越すべきは極端な偏りが難しく、比較的長めのトレンドを反映する参議院ではないかと思う。

郵政選挙
あれは、自民党にサービスし過ぎた。
衆院の圧倒的多数で税制関連法案を再可決させ、したり顔の宰相を見ていて、コトの重大さを思った。

民主党に政権取らせたら、間違いなく「外国人参政権」だけは可決だろうな。
それで、公明よりもタチの悪い会派が固定議席を取るとなると、それはそれで問題だ。
だいたい、主義主張の根本的に異なる政党が、政権取得の為だけに連立政権というのも節操がないし、それを言ったら主義主張の全く異なる集団が集まっての政党結成からして、「政党」の定義に反する。

「政治」とは、何と無駄なものの積み重ねなのだろうか。
憲法記念日」と聞いて、そんな下らないコトに思いを巡らせていた。