流れ流れてユーザー車検

愛車の車検が満了するということで、民間の車検場へと行って来た。
今回行ったのはコチラ、「車検館」。
http://www.shakenkan.co.jp/
それというのも2年前の車検でお世話になったのがココで、その時の印象が良かった上に、車検満了の3ヶ月前から告知ハガキを寄越すという演出が「気に入った」からである。
予約の数日前に確認の電話、当日約束の時間に訪れると、自ら名乗るまでもなく受け付けが行なわれる。
そしてサービスのコーヒーをすすり、マッサージチェアにもたれて、ガラス越しに行なわれている車検の終了を待つ。
ココまで全て予定通り、完璧なサービスだった。
「ココまで」、は。

なのに、だ。

「点検結果のご説明をします」と呼ばれて案内された愛車の脇で、とんでもないものを見せられることになろうとは・・・。

まずは指摘の1。
数ヶ月前高速道路で前走車から飛んできた「跳ね石」、それによるフロントガラスの長辺5ミリほどのキズ。

ガラスのキズ

これを15000円でリペアしろという。
しなければ「車検に通すことはできない」と言う。
ま、この「跳ね石」キズの判断は検査官次第であって、思いっきり割れててもOKだったというハナシも、ほんの小さなキズだったのに落検した、というハナシも聞く。
だから、これについて文句を言うつもりは無いが、・・・

どうも最近、この工場で「ガラスリペア」の取り扱いを始めたのではないか?

という疑問だけが残る。
それくらい小さな、フロントガラスのキズだった。

そして指摘の2。
オイルパンからのオイルの「滲み」。
これに対して検査官殿は、「1本8800円也!」のオイル添加剤を入れなければ、これまた「車検に通すことはできない」と言うではないか。

これには驚いた。

たしかに、その「1本8800円也」のオイル添加剤は、待合ルームにイヤというほど飾ってあった。
イヤな予感はした。

しかし、だ。

しかしその、オイル滲みに対する効果の程も保障されていないオイル添加剤を、入れさせなければ、車検に通せないって言ってしまう「国家2級整備士」って、どんなものだろうか。
オイルにじみに対する「下部洗浄4000円也」は、まあ値段の高安はあるにせよ許す。
しかし、「オイル添加剤入れなければ車検は通せない」て
国家資格整備士であれば、せめて「オイルパンパッキン交換」くらい言えないものだろうか。

もうこの段階で、総額12万円也の商談は不成立となったのである。
店の方針転換かもしれないが、こんな店は信用できない。
頼みたくもない。

で、断ったはいいが、車検が切れれば車は使えなくなる。
それは困る。
そんなワケで、代わりの民間車検場を模索した次第なのだが、「安い」をウリにしている車検場はほとんどが「持ち込んだら有無を言わさず通検。掛かった費用は実費請求」であって、「事前見積り」という良心的な仕組みを打ち出しているのは「ヤマト車検」ぐらいのもの。
それで早速、「ヤマト車検」に加盟している最寄の店舗へメールを送ると・・・

これが見事にスルーされ、待てど暮らせど返事が来ない。○| ̄|_
もうハナから「最悪」である。

ソコで仕方なく、自動車検査登録事務所に直接持ち込んでの「ユーザー車検」の方向を模索するコトとなった次第なのであるが、・・・。

ユーザー車検」とひとくちに言っても、事前にネットで情報収集をし、予習を行い、予約を入れ、「車検館」で指摘された「オイルにじみ」に対応するべく洗車場で下回りを洗浄し、準備が結構大変なのである。
大変だからこそ、「車検基本料10000円、24ヶ月点検料10000円」の都合2万円までは、黙って出そうと言っていたのである。
なのにあのボケがオイル添加剤とか言いやがるから・・・(以下略

そんなワケで、検査ライン1回目。

1回目

「無愛想」がデフォルトなお役所はずいぶんと改善されて、検査員のオッチャン達は非常に親切。
でも残念ながら「右ライト光軸不良」で落検してしまった。○| ̄|_
むかし「ユーザー車検」と言えば「とりあえず光軸だけは近所のテスター屋で」という常識はドコへやら。
「とりあえず受検して、落ちたらテスター屋で調整」になっていたのである。

そんなワケで2回目。

2回目

「光軸だけ」の再検査である。
結果はもちろんOK。
窓口ではあっけなく車検証とステッカーが交付され、ミッションはコンプリート。

領収書

結論として、「光軸の整備費用1200円也」、が余計に掛かったが、総額63000円也、民間車検場に払うべき20000円が節約できる結果と相成った次第であり、「自動車検査登録事務所のフロントさえ改善されれば、民間車検場なんてイラネエ」が素直な感想である。
(正直、新参者には最初だけは敷居が高いし、手順が分かりにくい!)
そして、ココまで親切、丁寧になった検査事務所に対して、民間の車検場が生き残る道というのは、ボッタクリではなく、むしろ「融通」なのではないだろうか。
もちろん、「指定工場の認定取消しが年間5,600件ある」というのはあるのだろうけど、「車検」に託けて余計なモノを売り過ぎというモデルは許し難い。
そんなコトを思った、「2年に一度の通過儀礼」だった。

ちなみに、「リペア費用15000円也」のフロントガラスについては、検査事務所の検査官は「完全スルー」だった。
やっぱり、アレが運転の支障になるなんて、一般には誰も思わないのである。

最後に、「安くてオトクなユーザー車検」ではあるが、「お金が無いのですが、ユーザー車検なら安く上がりますか?」みたいな質問をYahoo!知恵袋とかでしちゃってるドシロウトの大バカヤロウは、制度本来の主旨を勉強し直すまで、「車に乗る資格なし」としたい。
「権利」と「義務」がセットなのが、規制緩和の肝なのである。