広告、ですか?

dubrock2009-01-21

夜中の12チャン、たぶんWBSかガイアあたりだろうと思うんだけど、「ケータイのプラットフォーム統一による世界共通コンテンツの開発競争」みたいな話題が取り上げられ、米GoogleAndroidを使った「通話呼び出し中に任意の動画を表示させるアプリ」なんてのが紹介されていた。

で?

ってソレがナニに有益なのかイマイチピンと来ないんだけど、電話を掛けてから相手が出るまでの僅かな時間、すなわち「呼び出し中」の時間に、インターネット上に置かれた任意の動画ファイルを表示できるということは、つまりその僅かな時間に企業広告も表示できるということであり、つまり利用者は電話を掛けてから相手が出るまでの時間企業広告を視聴することと引き換えに、タダで携帯電話を利用することはできないか。
つまり本当の意味での「0円ケータイ」が実現できるのではないかというワケで、番組はそのアプリを開発した企業が、そんなビジネスモデルをもってベンチャーキャピタルにお金を借りに行く、という構成であった。
曰く「携帯端末を買うことができないような発展途上国にあって、最初から呼び出し中は広告が表示されれば、利用者は違和感なく『(携帯電話とは)そういうものだ』と受け入れられるものだろう」と。
それで端末代も利用料も0円なら、そりゃ「おトク」ではないか、と。

「これは何年にも渡って何億もの利益を齎しますよ」

なんてベンチャーキャピタル側の担当者がいやらしく笑うトコロでVTRは終わるのだが・・・
ケータイ端末も買えないような、月次の利用料も払えないようなユーザーに、誰が広告を配信するというのだろうか。

AndroidでもiPhoneでも何でもイイんだけど、ケータイのプラットフォームがある程度統一されて、キャリアを問わず同一のコンテンツを世界で共有できる。
それはとってもスバラシイことで、日本人がプライベートで開発したピアノ演奏のiPhoneアプリが世界で10万ダウンロード、1ダウンロード3ドルから日本円で3000万円の売り上げになった、なんてハナシを聞くと「オレもオレも」ってなっちゃうんだけど、その二匹目の泥鰌が行き着いたのが「今さら広告配信ビジネスの新媒体」ってのは寂しい限りの結末である。

広告媒体と言えばテレビ。
その民放各局が企業の広告費削減により軒並み赤字となり、パチンコや宗教関連といったこれまで自主規制していた先にまでスポンサーを募るも、「スポンサーばかりを強く意識した番組構成で視聴者離れる」みたいに言われている昨今。
ま、企業が求めているのは「効果の上がる広告」であって、その媒体としての「テレビ」が否定されつつある、という風に解釈すれば、「広告新媒体の提案」ってのも強ち間違いではないのだろうけど、「結局は個人消費よりも企業の広告費頼み」ってどうだろうか。

そんなワケで、「ケータイのプラットフォーム統一はビジネスチャンスである」という認識では一致したものの、そのオチの付け方が笑えず後味の悪い「いかにもテレ東さん」な番組であった。
iPhoneのモーションコントロールとかって、結局ゲーム以外には使い道ないんだろうか。
そんなコトを考えている今日この頃である。

このハナシ、詳しくは
[WBS]ワールドビジネスサテライト : テレビ東京
[動画 ]和製アプリ世界へ (2009.01.19)
http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2009/01/o1-49.html
で。