よく働き、よく働く

dubrock2009-01-17

以前「2007年問題」というハナシを書いた。
団塊世代が一斉に定年を迎え、大量退職するというヤツだ。
その退職金を当てこんで信託銀行は広告宣伝を盛んに行なったし、過疎化に喘ぐ農村では「いなかぐらし誘致」を推し進めた。

あれから2年。
世間では様々にその結果が求められる頃なのだが、正直あまり芳しいハナシは聞こえて来ない。
いや確かに、「○○にあった空家に東京から来た夫婦が入ったらしいよ」とか、「あの人は悠悠自適な『いなかぐらし』生活だから」とかいうハナシも耳にするのだが、「定年退職を迎えた老夫婦が大挙して押しかけ『いなかぐらし村』が出来た」なんてコトにはなっていないのである。
「ファイナンシャルアドバイザー」なんてポストを用意して顧客を誘致した信託銀行だって、たいした新規顧客の獲得には繋がっていないのではないだろうか。

では、彼らはどうしているのだろうか。

そのほとんどが、従前の居所を離れずに仕事に就いているらしい。
元居た職場に乞われて残った幸せな人もさることながら、駐車場の整理係や夜勤の警備員など、全く別の業種で就労している人も少なくない。
ともかく、「まだ体も動くし、年金貰ったところで足りやしない」と言いながら、よく働いているのである。

そして、結構「いい暮らし」をしている。
「いい暮らし」ってのもちょっと違うのだが、「能動的に消費する生活」ってのかな。
わざわざ行きつけの喫茶店でコーヒー飲んだり、その喫茶店から「豆」を買ってきて家で飲んだり。
「『行きつけ』と呼べるのはパチンコ屋くらい、コーヒーは缶コーヒー」ってのとは、その使いっぷりがちと違うのだ。

そんなワケで、日本の高度成長期を支えた団塊世代の方々。
「カネがないから車買えない」ってのとは対極にある皆さんなのだが、生きている間中働き続けるってのもいややなーと思ったりもする。