映画「重力ピエロ」試写会

dubrock2009-04-27

豊島園駅へとやってきた。
今日はココ「ユナイテッド・シネマ としまえん」で試写会である。
余談だが、「としまえん」はもっと郊外の、所沢のほうにあると思っていた。
それが、まあ環七の外側とはいえ、「意外に都心寄り」にあったということ。
そのことが、今日の「新鮮」であった。

本題に戻る。

試写会会場の定番と言えば「九段会館」。
それはそれで由緒ある劇場であり、それなりの趣もあるのだが、正直2時間座っているとケツが痛くなる
なので、会場が「九段会館」の試写会はここんとこ敬遠の四球だった。
だからというワケではないが、今日の試写会会場である「ユナイテッド・シネマ としまえん」、いわゆる「シネマコンプレックス」という形態の、昨今の映画好況の立役者とも言うべきこの施設の快適さを再認識した一夜でもあった。
何を差し置いても「イスがイイ」。(・∀・)イイ!
これでリクライニングすれば言うコトナシ、なのだが、それだけが毎回悔やまれるのみである。
あとはイスの大きさも、前席との間隔も、肘掛も、音響も、全て言うコトナシ!
とても快適な劇場なのである。

そんな快適な空間で、ペプシコーラのLサイズを奮発しての鑑賞である。

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というコトであるが、正直、知らねぇ・・・
いや、知っていようといまいと、楽しめる映画である。
物語の冒頭から、一気にストーリーに引きつけられる。
「生意気だ」とレイプされそうになっている女子高生を、主人公の弟の方、岡田将生演じる「春」が助けるシーンから始まる。

逃げる少年達を、2階から飛び降りて回り込み、バットでメッタ打ち。
リアルである。
特に大掛かりな仕掛けがあるわけでもないのに、とにかくリアルである。

主人公の兄の方、加瀬亮もオタクっぽさを醸し出しながら、いい演技をしている。

舞台は、宮城県仙台市である。
このことは、ストーリーの軸となる「連続放火事件」、その舞台となった地名その他でイヤというほど認識させられるのだが、東北人なら冒頭で「春」が乗っているセドバンのナンバーが「仙台ナンバー」であるというトコロで分かって頂きたい。
それくらい、画面の随所に物語の「ヒント」がちりばめられている。
そういう演出の、映画である。
無駄なものなど、スクリーンに登場しないのである。
加瀬亮演じる「泉水(いずみ)」が所属する大学の研究室の、教授が研究するテーマですら、だ。

彼ら2人のお父さん役が、テレビでもメジャーになった小日向文世
過去の回想シーンでの、小日向の「若返り方」にも注目である。
2人のお母さん役、小日向の奥さんの役をするのが、仙台市近郊出身の鈴木京香
あとは渡部篤郎とエキストラの皆さん、ぐらいしか出てこないし、大規模なセットも、効果なVFXもなく耽々とストーリーは進行していくのであるが、ところがどっこいこれが面白いのである。

原作が優れているというのもある。
それは確かなコトだろう。
それにも増して、脚本?
監督?
ともかく、こんな地味なキャスティング(失礼)に、こんなカネの掛かっていない演出(またまた失礼)で、「どうして?」と思うくらい引き込まれる映画なのだ。
引き込まれたまま、一気に最後の盛り上がりまで行ってしまう。
こういう映画も最近珍しい。(と、思う。)

正直、軸である「連続放火事件」の犯人は途中で分かってしまったけれども、それでも最後まで目が離せない展開というのは、これは脚本の妙だろう。
また、アメリカ映画にありがちの「最後は皆さんのご想像にお任せします」的な、ストーリーの放り投げもない。
これも、観ていて「スッキリ」する。
なんでタイトルが「重力ピエロ」なのかイマイチ「?」な気もするのだが、ともかく全ての疑問に「答え」が提示されていて、スッキリするのである。

劇中吉高由里子演じる「夏子さん」だけ要らない気もしたが、ともかく俳優目当てであれ、女優目当てであれ、是非一度観て頂きたい作品である。
個人的には、渡部篤郎(役名失念!)が「悪」について語るくだりが、印象的であった。

5月23日(土)より全国のユナイテッド・シネマにて公開。
是非、劇場にて!★★★(星みっつ!)