改めて、ドナーカード。
先日の臓器移植法改正の報を受けて、早速「ドナーカード」なるものを取り寄せたワケであるが、正直それは、記入されないまま放置されていた。
それというのもこの文面。
1.私は、脳死の判定に従い、脳死後、移植の為に○で囲んだ臓器を提供します。(×をつけた臓器は提供しません)「5番目の臓器が読めない」とかいうハナシではない。
心臓・肺・肝臓・腎臓・膵臓・小腸・眼球・その他( )
臓器移植?
賛成、賛成。
ドナーカード書くよ!
というテンションに対して、
いきなりオイラが脳死になっている。○| ̄|_
ショッキングである。
いきなりカウンターパンチなのである。
そう、臓器移植を論じるに当たっての大前提は「(自分が)当事者でないこと」であって、この「項目の1」によってその大前提が覆されてしまうのである。
アナタも、脳死になったらドナーですよ!
といきなりの死亡宣告。
なんか、そのへんに「脳死の人」が転がっていて、その人の臓器を取り出すことは「人道的に」是か否か、なーんて他人事で論じていたことに気付かされる瞬間なのである。
これは、・・・
書けない・・・
そんなワケで、「お蔵入り」にしてしまった次第なのである。
それが先日健康保険証の更新があったのだが、なんと新しい健康保険証は裏面がドナーカードになっていた。
これは、もう書くしかないな、・・・
そう腹を括って、改めてボールペンを手にした次第なのである。
1.私は、脳死の判定に従い、脳死後、移植の為に○で囲んだ臓器を提供します。(×をつけた臓器は提供しません)んー、やっぱパス。
心臓・肺・肝臓・腎臓・膵臓・小腸・眼球・その他( )
とりあえず書けるトコロから書くコトにしよう。
3.私は、臓器を提供しません。これは「×」だ。
臓器移植自体には賛成なのであるから、この項目はワタシには該当しない。
では次。
私は、心臓が停止した死後、移植の為に○で囲んだ臓器を提供します。(×をつけた臓器は提供しません)うーん、オレが「心停止」かぁ・・・。
腎臓・膵臓・眼球・その他( )
「その後のコト」というのは、「オレ」は死んでいるワケだから、「その後どうするか」というのはつまり「どうするのが家族にとって最善か」というコトであるワケだ。
(心停止に至った)状況はどうあれ、目のない「ご遺体」ってどうよ!?
奥さんイヤだろうなぁ・・・
じゃ、「眼球」は「×」。
あとの「腎臓」やら「膵臓」は、どうせ燃しちまうんだから使えるもんなら使ってもよかろう。
(あくまで「使えるもんなら」ね。)
で、改めて設問の1。
1.私は、脳死の判定に従い、脳死後、移植の為に○で囲んだ臓器を提供します。(×をつけた臓器は提供しません)前述の理由により、もちろん「眼球」は「NG」だ
心臓・肺・肝臓・腎臓・膵臓・小腸・眼球・その他( )
脳死。
脳が完全に機能を廃絶していて、回復の可能性が無い状態。
近いうちに(あるいは人工呼吸器を外せば)確実に心停止するとされる状態。
でも現状では体温もあり、心臓も動いている状態。
ソコから動いている心臓を取り出せる?
うーん、オレ的には良くっても、奥さん的には「NG」なんじゃないだろうか。
いくら「いずれ止まる心臓」であっても、だ。
ソイツがダメなら、人工呼吸器で動かされている「肺」も、肝臓も腎臓も、
・・・。
結局自分のことに置き換えてみると、「総論賛成、各論反対」を画に描いたようなドナーカードが1つ出来上がった。
これでいいのかどうかさっぱり分からないが、まあ「書き直し可」なのでとりあえず今回はサインをしておくことにしよう。
自分の死後について考えるのは、今回は「これが限界」。
それが正直なトコロなのである。
「ドナーカードを持った」
それだけでも、格段の進歩。
そう思うコトして。
ちなみに、項目1の5番目の臓器は「すいぞう(膵臓)」である。
読めねぇー!