改めて、ドナーカード。

dubrock2009-08-12

先日の臓器移植法改正の報を受けて、早速「ドナーカード」なるものを取り寄せたワケであるが、正直それは、記入されないまま放置されていた。
それというのもこの文面。

1.私は、脳死の判定に従い、脳死後、移植の為に○で囲んだ臓器を提供します。(×をつけた臓器は提供しません)
心臓・肺・肝臓・腎臓・膵臓・小腸・眼球・その他(  )
「5番目の臓器が読めない」とかいうハナシではない。

臓器移植?
賛成、賛成。
ドナーカード書くよ!

というテンションに対して、

いきなりオイラが脳死になっている。○| ̄|_

ショッキングである。
いきなりカウンターパンチなのである。

そう、臓器移植を論じるに当たっての大前提は「(自分が)当事者でないこと」であって、この「項目の1」によってその大前提が覆されてしまうのである。

アナタも、脳死になったらドナーですよ!

といきなりの死亡宣告。

なんか、そのへんに「脳死の人」が転がっていて、その人の臓器を取り出すことは「人道的に」是か否か、なーんて他人事で論じていたことに気付かされる瞬間なのである。

これは、・・・
書けない・・・

そんなワケで、「お蔵入り」にしてしまった次第なのである。

それが先日健康保険証の更新があったのだが、なんと新しい健康保険証は裏面がドナーカードなっていた。

これは、もう書くしかないな、・・・

そう腹を括って、改めてボールペンを手にした次第なのである。

1.私は、脳死の判定に従い、脳死後、移植の為に○で囲んだ臓器を提供します。(×をつけた臓器は提供しません)
心臓・肺・肝臓・腎臓・膵臓・小腸・眼球・その他(  )
んー、やっぱパス。

とりあえず書けるトコロから書くコトにしよう。

3.私は、臓器を提供しません。
これは「×」だ。
臓器移植自体には賛成なのであるから、この項目はワタシには該当しない。

では次。

私は、心臓が停止した死後、移植の為に○で囲んだ臓器を提供します。(×をつけた臓器は提供しません)
腎臓・膵臓・眼球・その他(  )
うーん、オレが「心停止」かぁ・・・。
「その後のコト」というのは、「オレ」は死んでいるワケだから、「その後どうするか」というのはつまり「どうするのが家族にとって最善か」というコトであるワケだ。

(心停止に至った)状況はどうあれ、目のない「ご遺体」ってどうよ!?

奥さんイヤだろうなぁ・・・

じゃ、「眼球」は「×」。

あとの「腎臓」やら「膵臓」は、どうせ燃しちまうんだから使えるもんなら使ってもよかろう。
(あくまで「使えるもんなら」ね。)

で、改めて設問の1。

1.私は、脳死の判定に従い、脳死後、移植の為に○で囲んだ臓器を提供します。(×をつけた臓器は提供しません)
心臓・肺・肝臓・腎臓・膵臓・小腸・眼球・その他(  )
前述の理由により、もちろん「眼球」は「NG」だ

脳死
脳が完全に機能を廃絶していて、回復の可能性が無い状態。
近いうちに(あるいは人工呼吸器を外せば)確実に心停止するとされる状態。
でも現状では体温もあり、心臓も動いている状態。

ソコから動いている心臓を取り出せる?

うーん、オレ的には良くっても、奥さん的には「NG」なんじゃないだろうか。
いくら「いずれ止まる心臓」であっても、だ。

ソイツがダメなら、人工呼吸器で動かされている「肺」も、肝臓も腎臓も、

・・・。

結局自分のことに置き換えてみると、「総論賛成、各論反対」を画に描いたようなドナーカードが1つ出来上がった。
これでいいのかどうかさっぱり分からないが、まあ「書き直し可」なのでとりあえず今回はサインをしておくことにしよう。
自分の死後について考えるのは、今回は「これが限界」。
それが正直なトコロなのである。

ドナーカードを持った」

それだけでも、格段の進歩。
そう思うコトして。

ちなみに、項目1の5番目の臓器は「すいぞう(膵臓)」である。
読めねぇー!