クレーマー・クレーマー 09

dubrock2009-08-11

クレームを生かせる企業は伸びる、なーんてよく言われる。
ただ、「お客様の声を聞かせて下さい」なんて社長自ら公言する企業に限って、その対応はお粗末だったりする。
また、クレームは時として「不当要求」に姿を変え、コトを荒立てたくない企業側の心理と相俟って、何かしらの金品をたかろうとする輩の標的にされたりもする。
この辺、バランスというか、線引きが難しいのである。

売店の店頭などでは、商品自体の問題から価格、果ては接客態度に至るまで「クレーム」というものが日常化しているので、良く言えば「打たれ強い」が、悪く言えば「軽く流す」傾向にある。

「生かせていない」
というよりも、
「生かさない」
のである。
(でないと、仕事にならない。)

対して「本社」というものは往々にしてクレームに不馴れで、ストアフロントで日常起こるような些細なクレームでも、社長に専務に総務部長が電話一本で右往左往していたりするから滑稽だ。


その昔、懇意にしていたトヨタレンタリースのとある支店の店長が転勤になった。
新しい店長が無愛想なヤツだったので、
「今度の店長では不愉快な思いをした」
というメールを送った。

そしたら、その店長と上司が菓子折りを持って挨拶に来た。
これはいくらなんでもやり過ぎなので、「菓子折り」は丁重にお断りしたが、果たして「彼」の愛想が良くなったかと言えば、必ずしもそうではない。

「軽く流して生かさない」
の典型だろう。


クロネコヤマトの千葉支所の前に県道が通っているのだが、支所から出てくるトラックの為にクロネコの集配車が道路を塞いでいて、お陰で県道は大渋滞。
あまりにアタマに来たのでホームページに載っていた「大代表」の電話番号に電凸したのだが、コレが明らかにクレーム慣れしておらず暖簾に腕押し、ハナシが噛み合わない。
その後ナニをしたのか知る由もないが、きっと「生かせていない」に違いない。
「宅急便」は随分と偉くなってしまったのである。



先日、替刃式カミソリの「替刃」を買いに行った。
愛用しているのは貝印カミソリの「K-4テトラ」。
しかし店頭にあったのは「K-4テトラneo」の替刃。
またホルダーが世代交代してしまったようである。

悔しいので量販店をもう一軒回ってみた。

やっぱり替刃は「K-4テトラneo」。
これで文句を言ったら「クレーマー」になってしまうが、といって割高なホルダーを買いたくもない。
で、「neo替刃」の箱書きを熟読すると、
「K-4テトラにも使えます」
の文字が。
半信半疑ながらも購入することにした。

帰宅し、早速「K-4テトラneo替刃」を「K-4テトラホルダー」に装着してみる。
それは意外にすんなりハマったのであるが、取り付け角が悪いというか肝心のヒゲが剃れない。
「刃」が肌に当たらないのである。

「使える」ことに違いはないが、これでは意味がない。
それで、
「取り付け角が悪くないですか?」
ってメールを送った。

その日のうちに返事が来て、
「K-4テトラneoホルダー試供品を送る」
なんて書いてあった。

いや、そんなしなくても、「取り付け角」さえ改善してくれればそれでイイのに…

なんて言ってるうちにソイツは届き、使ってみるとこれがまた、

すんげぇ剃れる!

そんなワケで、思わず新しいホルダーが手に入ったワケであるが、貝印さんはクレームを生かしてくれたのか否か。

きっと改善してくれるに違いない。
そう思いたい迅速な対応だった。


そんなワケで、これだけ言い古されても各社各様のクレーム対応。
まさかオレが、この良識派のワタクシが、「クレーマー」なんて呼ばれてはいまいか。
そればかりが気掛かりだったりする、今日この頃なのである。