第一生命が株式会社になったというが・・・

dubrock2010-04-04

4月1日から、第一生命が株式会社になり、東証一部上場となった。
もともと生命保険会社は相互会社として・・・
という説明は置いといて、その意味について考えてみたいと思う。

万人はひとりのために、ひとりは万人のために。

ラグビーの標語ではない。
「保険」の基本原則として馬鹿の一つ覚えのように使われるフレーズであるが、

生命保険は、ゲームだ。

の方が個人的にはしっくりくる。

ともかく、生命保険会社は“契約者”の為にあるべきであるという基本原理に基き、契約者は“社員”ということになってきた。
でもそれは建前のハナシ。
実際には“契約者”は“契約者”であって、保険会社のすることについて何らの口出しもできないまま、ただただ契約金を支払うことのみに徹してきた。

「5年ごと利差配当プラン」で5年間の利差益がありませんと言われても、文句のひとつも言えなかったのである。

今回の株式会社化にあたって、会社の資産総額(時価総額)を株数で割った「一株あたり資産」は約14万円。
契約者はこれを、株券でもらうか現金でもらうか選べるというコトだが、・・・

終身保険に毎月2万5千円を40年間支払い続けて、割り当ては1.75株?

ってコトは額面にして25万円相当というコトか。
月2万5千円なら、年間30万円。
コイツを40年間続ければ、支払い総額は1200万円というコトになる。
元本が終身保険の原資になり、運用益が利益配当として還元された、としても、それ以外の会社の努力分がたったの25万円(2%)って、どう解釈すればいいのであろうか。

それも、「全てが終身保険に充当されていれば」のハナシ。
保険金支払額の8割方が掛け捨ての特約だった、なんて契約も珍しくない。
詳しくハナシを聞けば、「ボーナスだ」なんて笑える話とは限らないのである。

保険会社はビルを買う。

それは、「万が一の保険金支払いに備えて資産を蓄える必要がある」かららしい。
しかし実際はどうだろう。
駅前の一等地にやたらと豪華なビルを建て、自分らはそれでいいだろうが、・・・

地価の下落で資産価値は目減りし、ビルは老朽化し、維持費ばかりが右肩上がり。
今ではテナントも入らないような、いわゆる、世間で言うところの“不良資産”ばかりが増大していったのである。

そんな、会社の株券。

そんなもんで騙されていいのかというそういうハナシである。

もっと原理原則に立ち返り、

「支店長」を黒塗りで送迎するために、こちとら保険金払ってんじゃねぇよ!

と言いたい、今日この頃なのである。
東証に煽られて、手を出している場合ではないというそういうハナシなのである。