2016 東京

オリンピックの商業化が叫ばれ、主要なスポンサー企業が属するアメリカ優先の開催地選考が「常識」となりつつある昨今に、2008が北京ならば以後しばらくはアジアでの開催すら難しい。
そういう大方の予想を尻目に日本国内での候補地を争った福岡「市」と東京「都」。
市町村と都道府県で同じ土俵に上がるコト自体が既にハンデ戦であり、ただでさえ「首都・東京」を相手にするのであれば福岡「県」ですら勝算が薄い状況で、福岡「市」もよく善戦したものだと思う。

ご法度とされるライバルの誹謗中傷も辞さない舌戦も、相手が石原慎太郎では戦略ミス。
応戦されればメッタ撃ちどころの騒ぎではない。
結果33:22で東京の勝ち。
どうせ招致できないにしても、「話題性」だけでも欲しかったJOCからすれば順当な結論となった。

「開票率0.1%当選確実」のさらに上を行く、「投票前当選確実」の次期自民党総裁であり、次期内閣総理大臣となる安倍晋三氏の総裁選出馬が、今日「正式表明」される。
ならば勝てる見込みのない麻生さんと谷垣さんはただのピエロかというとそういうワケでもなく、次回衆議院総選挙までは安定多数を確保している自民党だからこそ、安倍氏が就任早々にポカしてもらえればそれでいいという部分が「福岡市」とは決定的に違うトコロだろう。
ただそういう場合に至っても、「改めて福田氏」なんて言いかねないのが自民党であり、そういうトコロが自民党が民意と乖離して国民から嫌われる最たる理由なんだろうと思う。

ニューリーダーとして新興IT企業社長衆と親交を深め、スキャンダラスな金儲けの噂が絶えない次期総理だからこそ、その「証拠」を血眼になって探しているのは民主党よりもむしろ自民党かもしれないと思うと、早々に猫なで声で「応援」を表明して閣僚入りを狙う輩に「政治」というものを垣間見ている気がしてならない。
週刊誌で「そろそろ楽天のXデー」なんて見出しが出始めたワケだが、もう仕込みは完了しているのだろうか。

不信任されてもあっさり再選を果たすほどの絶大な人気を誇った田中長野県知事が、昨日その任期を満了した。
「ガラス張りの知事室」みたいな駄洒落に税金を使うのはいかがなものかと思うが、やり方はどうあれ地方に世間の注目を集める手腕はたいしたものだし、何の注目もされずに財政が破綻寸前のままの他県に比べれば「ご利益」はあったのではないだろうか。
「出るほうを絞っただけ」と批判されたが、入ってくる当てもないのに出し続けて維持した経済構造をリニューアルするにはそうするしか方法はなく、それを「良い事はなかった」としてしまう県民にも問題はあるのではないだろうか。

いずれにしてもこの前知事は、郵政民営化に反対の公共工事を約束する新知事に選挙で負けた。
なんて言うと次回の衆院総選挙では民主党過半数を取りそうだが、国がバックにいる地方自治体と後ろ盾のない「国」とでは立場が違う。
膨大な債務を考えると経済構造のリニューアルは必至、なのだが、任期満了間近になし崩し的にグズグズになった「小泉改革」も、点数を付けるならば30点といったトコロだろうか。
後継に配慮したソフト路線への転向に愕然としたのは、猪瀬氏だけではないだろう。

なんて選挙つながりで考えてみた。