ああいえば上祐

ついにはテロ事件まで引き起こしてしまったカルト教団の「教祖さま」、松本被告の死刑があっけなく確定した。
この教団での逮捕者のほとんどが上告ないし控訴中というコトで刑が確定していないのに、「教祖さま」の刑が確定してしまうというのはどんなもんだろうか。
これでは実行犯である教団幹部は「(いやと言えない異常な状況下で)指示された」と主張すれば、もしかしたら「教祖さま」に罪を被せられるかもしれない。
そんな可能性すら考えてしまう。

ただ私選弁護団のとった戦法が致命傷となる、まさに墓穴を掘る弁護がこんなにも早い刑の確定を招いている。
(これが「国選」弁護士でないトコロがミソらしい。)
「早い」とはいっても10年以上の歳月を経ているわけで、ホリエモン裁判では「特例措置」をとったトコロで司法による決着には総体的に「時間がかかりすぎる」という印象は否めない。
(国家賠償請求などでは原告団が亡くなってもなお結審しないものもあるのだから。)
そういう意味でも裁判を長引かせようとする弁護士の存在は許されるものではないし、需給調整から司法試験の合格者数を調整している弁護士会という組織自体が、諸悪の根源だと思えてならない。

決まりきった審議しかしない自己破産案件や小額訴訟案件などはとっとと他の国家資格保持者(税理士なり行政書士なり)に譲り渡して、凶悪事件や判断の難しい案件に人員を割いて欲しいものである。
(とはいえこういう型に嵌った分野が一番儲かる彼らの「稼ぎどころ」なのかも知れないが。弁護士は往々にして専門外の法律にはかなり疎い。)
いずれにしてもこれといった控訴理由を挙げられない弁護団の「控訴趣意書不提出」により、「1審の判決が確定する」という三審制の恩恵を享受できない最悪の結果を招いたコトはなんとも皮肉であり、弁護士としての経歴には「汚点」として残ることだろう。
まさに「策士策に溺れる」。

ところでこの結果についてかの「ああいえば上祐」氏が堂々と記者会見している。
氏は会見で当時の言動について、「うそだと認識していたが、当時は組織を守ることが帰依だと思っていた」などとあっさり言ってしまっている。
こうやって「脱・麻原」を打ち出すコトで現教団の社会での容認を得ようとしているのだろうが、ココまであっさり身を翻されては「反・上祐派」が教団内に生まれて当然。
このまま「反・上祐派」に被害者賠償を押し付けて、スッキリサッパリ分裂しようとでもいうのだろうか。

なんだかんだ言って結局今はシャバでのうのうとしているコイツが一番極悪人ではないかと思うのだが、知能犯なのだろうか。
分裂後自身が「教祖」となってしまっては松本被告の二の舞となりそうだが、今後の推移については国家公安ともども注視していきたいものである。

「寄付」という行為でこれといった商品も提供せずに全財産を巻き上げ、その売り上げには税制面での格段の優遇措置もある「宗教法人ビジネス」。
そのビジネスモデル自体は、悪くないと思うのだが。

死刑確定
4,680円 /