紅葉狩り(後編)

日中と夜間の温度差が大きければ大きいほど、紅葉の色づきはより鮮やかになるという。

日光と言えば「東照宮」なんだろうけど、神社仏閣の類は年寄りと回ってこそのもの。
徳川家康ってなんだっけ」と寝ぼけたコトを言っている相方と行くべき場所ではない。
(3猿とか眠り猫も実物はショボくて「金返せ」なカンジやしね。)
神橋あたりの水のキレイさに感動しながら、日光と言えばいろは坂でしょう、というコトで中禅寺湖を目指してみる。

あまりの寒さに引き返そうかと悩んでいるうちに、あのつづら折へと突入する。
車も然程多くないので、張り切ってつづら折を切り返していくと、あっという間に渋滞の最後尾へと追いついた。
これが噂に聞く日光渋滞。
所々に故障した車が立ち往生しており、それが渋滞をさらに助長していた。
道交法の改正によりユーザー車検が認められるようになって以来、行楽地での故障車を見掛ける機会が多くなったと思う。
儲けすぎた整備業界が悪いのか、自らが所有する車に責任を持てない日本人の国民性が悪いのか、いずれにしても「動かなくなった車」に為す術のないドライバーには呆れるコトが多い。
せめてもう少し路肩に寄せるくらいの配慮は出来ないものだろうか。

明智平のパーキングで休憩を取る。
紅葉が身頃を迎え絶景は絶景なのだが、平地の装備では「寒さ」の方が勝ってしまう。
とにかく寒い。
暖かい飲み物で体を温めたいのだが、「甘酒300円」にちょっと辟易。
さらに「ココア300円」「コーヒー300円」と来れば、缶コーヒーでいいやと思ってしまう。
そんなコトもありつつ、寒いので早々にいろはの下りへ。
地元の観光バスの運転手採用試験で、切り返し3回以内で降りないと合格しないといういろはの下り。
やはり立ち往生する観光バスがいて、その先は車1台居ない貸し切り状態となっていた。

そんないろは坂を愉しみながら、発覚した事実はいろは坂の由来を知らなかった相方のコト。
まぁそんなコトもありつつ、日光杉並木をくぐって帰路に着いたまでは良かったが、帰り道は途中から雨に降られてしまった。
結果的には本降りになる前に帰宅できた訳だが、やっぱり天候の変化には弱いバイク。
長いこと「車」になれてしまって合羽などの雨具すら用意していない甘さを痛感する。

日中と夜間の温度差が大きければ大きいほど、紅葉の色づきはより鮮やかになるという。

その一文を噛み締める1日だった。
やっぱり風を感じるならバイクだよね、は、負け惜しみではない、ハズ。

いろは坂/原田悠里
1,200円 / famima.com