ディープインパクト

その馬が『三冠』を達成し、フランスの凱旋門賞に挑戦すると言われても、『三冠馬』が歴代7頭しか居ないと言われても、そもそも『三冠』が何賞を指しているのかさえ分からなければ、世間がなんでそんなに騒いでいるのか知る由もない。
鳴り物入りで臨んだその凱旋門賞で『3着』という評価に微妙な結果も、早々に年内引退宣言となれば、現役時代の戦績に『ハク』が付いたとの判断だろうと勝手に推測ができる。

高騰する子馬の価格と調教費用は既に生涯獲得賞金を超え、馬主にとっては引退後の『種付け』でこそ収益を得られる時代にあっては、常に骨折のリスクと隣り合わせのレースに永く参戦させるコトこそナンセンスなのだろう。
ファンあっての公営ギャンブルにあって、ファンの気持ちなど聞いていられない馬主の台所事情だ。

それがレース後に禁止薬物の検出と入賞の剥奪。
さらに関与できたのがフランス人の獣医のみで、『外国馬に勝たせたくない陰謀説』まで出れば、もうスポーツ紙には格好の燃料だろう。

検出された薬物に効果がある立証はなく、日本では禁止されていない。
だから国内のレースには問題なく今後も出走できると、慌ててフォローするJRAがなんともイタイ。
対応次第で馬主の収入に雲泥の差を付けてしまうJRAにしてみれば、『最大限の配慮』といったトコロだろうか。

『競馬は血統』とされ、優秀な成績を残した名馬の近親交配により人工的に創り出された奇形的優駿
確かに血統によるものもあるのだろうが、『血統』を排除しては商売が成り立たない台所事情の方が強くないだろうか。
『レース鳩』とシステムを共有している図式だ。

成金の代名詞のような関口氏の派手な振る舞いと大風呂敷は確かにテレビ受けするだろうが、やっているコトはベンチャーキャピタルにも似た地味な投機的投資に過ぎない。
馬主になればああいう生活が出来るというのは、テレビが作り出した妄想だろう。

中央競馬を除いた公営ギャンブルの、財政難が深刻化している。
方やではギャンブルに溺れ多重債務に陥る愚を戒めておいて、ストレスのガス抜きにギャンブルでリフレッシュ、なんてお上に都合の良いギャンブラーなどいやしないだろう。
テラ銭が高すぎる、なんて分かりきった人気低迷の理由も、それが『当たり前』になった主催側にはドコ吹く風だ。

なんて考えていると、年末にかけて消費を煽る『景気回復でボーナス大幅増』の報道が、なんのことはないスポンサーに向けられたメッセージであって、どうりで実感がないワケだとひとり納得してしまう。
いかんいかん、常々『ミーハーに行こう』を心がけると決めていたんだ。
乗らなくては。