弦楽のためのアダージョ

映画と音楽は切っても切り離せないものだし、印章的なシーンで効果的に使われた音楽は、逆に音楽だけを聴いても当時の映像が蘇ってきたりする。
映画専用に作られた007のテーマやスターウォーズゴッドファーザーのテーマなどは当たり前だが、それでもインディージョーンズのテーマなどは、聴くだけでなんだかワクワクしてくる。
日本では宮崎作品の久石譲氏とか独眼竜政宗ジェームス三木氏とかが印象的だろうか。

地獄の黙示録におけるワグナー、ワルキューレの騎行などは、もともとは長編オペラの一節でしかないのだが、あの凄惨なシーンと合間ってワグナーといえばワルキューレ、というくらい有名になってしまっている。

で、今日のお題『弦楽のためのアダージョ』。
ホントはそこまで寂しいイメージではない気がするが、かのベトナム戦争を扱った80年代の反戦映画『プラトーン』での1シーンが連想されるのは、ワタシだけではないハズだ。
則ちそれは、『悲惨』の一言。

クラシックを題材に扱ったマンガが原作の、『のだめカンタービレ』。
上野樹里の好演が特に印象的だが、要所要所で使われるクラシックの名曲たちも、『原作(マンガ)より面白い』と思わせる要因ではないだろうか。
前回は『ボレロ』が象徴的な使われ方をしたが、何より印象に残ったのが『弦楽のためのアダージョ』。
プラトーン』ほどに悲惨さを演出するシーンではなかったのだが、どうしてもプラトーンのイメージが強すぎ、思わず反戦映画真っ盛りの20年前にタイムスリップしてしまった。

クラシックが題材だけに、選曲もよく吟味されている『のだめ』。
『耳』から入る情報の影響力の大きさを考えながら、上野樹里水川あさみか、それが問題だ。