バイクのオイルを交換する

250ccのスクーターを手に入れて、最近重宝して乗っている。
法規上高速にも上がれる使い勝手の良さは、特に都市部では特筆すべきものがあるだろう。
雨の日を除けば。

ともかくコレに乗っていると、よく聞かれるのがオイル交換のハナシ。
バイク屋さんに持っていくぐらいしか一般には方法がないが、割高に感じたりオイルを選べなかったりと、意外に顧客満足度は低い。
またラジコン、プラモデルの延長線上にあるのか、『これくらいは自分で』という欲求もかなりある。
実際、いつか息子が生まれたら、その前で軽くバイクぐらいはいじれる『オヤジ』の方が、確かに『カッコイイ』のかも知れない。

で、オイルのハナシ。
まずオイルをドコで入手するかだが、自動車用のものはバイクには向かないと、一般的には言われている。
なのでバイク用品専門店に行くのが普通だが、ホームセンターやドン・キホーテなんかにもちゃんと売っていたりする。
ああいうトコロのは品質が…などと昔は言われたが過去のハナシ。
今では流通の過程で需給バランスにより生じた商品が、たまたまホームセンターの店頭に並んでいるだけなので、なにも気にするコトはない。

ちなみに、『自動車用のオイルはバイクには向かない』は、エンジンオイルでクラッチまで潤滑するバイク独特の構造から来るものだから、クラッチを潤滑しないスクーターでは自動車用のオイルを使えると言えば使える。
ただバイクのエンジンはコンパクト高性能で、あまり柔らかいオイルを使うようには始めから設計されていないので、個人的にはあまりお勧めできない。

最近はバイクの絵が描かれたホンダ純正オイルが、かなり安く出回っているみたいだ。
ホンダのオイルをヤマハのバイクに入れて大丈夫かって?
あれは『ホンダのオイルをホンダのバイクに入れていて、オイルが原因でトラブルになったら補償しますよ』程度の意味なので、ヤマハのバイクがびっくりして壊れる、なんてコトにはならない。

それより気にしてほしいのが『粘度』。
缶に書いてある『10W−30』とか『10W−40』とかの数字のことだ。
最近の自動車は低燃費指向から『柔らかいオイル』を好み、市場に出回るオイルも『5W−』『0W−』といったものが多くなっている。(前の数字が小さくなるほど柔らかい)
ただバイクに使う場合には、あまり柔らかいものは想定されていないので、『10W−』くらいのものが妥当だろう。

後ろの数字は高温時の特性だが、『30』『40』『50』と数字が大きくなるほど硬くなり、オイルの量も少なくシビアな性能が要求されるバイクであれば、なるべくこの数字の大きいものがイイ、というコトになるのだが、大きくなればなるほど高価になるので、コストパフォーマンスの面からも『40』くらいが妥当かと思われる。

ちなみに1リットル1万円以上もするような高級オイルを入れて、あまりの高さにオイル交換の間隔を開ける『自称走り屋』もいるが、エンジンの為にはオーバースペックなオイルで長期に渡って走られるより、安いオイルでもいいからこまめに交換してあげた方が良い。
どんなに高性能でも例えチューニングしてあったとしても、F1マシンぢゃないのだから。
またメーカーの推奨オイル交換距離は、自動車、バイクともに長めであり、実際にはもっと早めの交換が必要となり、これらは早期のオイルにじみなどを引き起こす。
1500キロメートルから2000キロメートル走行毎にするユーザーが多いみたいだ。

で、長くなったが結論的には『10W−40』と書かれたグレードが、バイクにはちょうどいいと思う。
先のホンダ純正ならSとGという銘柄がこれに当たるらしく、1リットル缶で千円前後。
どのメーカーもこのクラスだと1.○リットルが規定量なので(正確な数字は注入口脇に書かれているが、実際にはそれより少し多く入るらしい。)、1本では足りないのがいやらしい。

これにオイルの受け皿と工具が少しあれば、充分にオイル交換は可能なのだが、何かとうるさい世の中なので、廃油を下水に流すようなコトだけは避けたいものだ。
固めて燃えるゴミにしてしまうか、行きつけのガソリンスタンドで引き取ってもらうのが一般的だが、あまり快くないというのがスタンドマンの本音だったりする。

いずれにしても、実際のオイル交換は『抜いて、入れるだけ』(下ネタではありません)なので、今度やる時にデジカメで写真を撮って、写真付きでアップしたいと思う。