役得

国が設立を目指す『沖縄科学技術大学院大学』。
その初代学長に内定していたノーベル賞学者のシドニー・ブレンナー氏が、準備組織の段階で退任する意向だそうだ。
なんて言われてもピンと来るヒトも少ないだろうが、在日米軍再編に伴うグアムへの部隊移動。
それにより生じる広大な跡地の利用法として、政府が全面的に後押ししてきた事業だそうで、オールカットの予算配分の中でも特別扱いの潤沢予算が、未だに充てられているものだそうだ。

この大学の準備組織の理事長であったブレンナー氏は、『常勤』が求められる行政法人の理事長職にあって勤務実績がほとんど皆無。
イギリス国籍ゆえまず来日しないし、したとしても準備組織のある現地に現れるコトはまずなかったという。
『それで理事長職の年俸2千万は法外ぢゃね?』と先日読売新聞に掲載された矢先の退任表明だ。

いくらノーベル賞を受賞した学長を看板にしたかったとて、そのノーベル賞学者の威光で有能な人材を集める意図があったからとて、アメリカとイギリスに研究の拠点を置くイギリス人の、しかも齢80になろうかというジイサマが、沖縄の準備組織に『常勤』出来るはずもなく、そんなのは就任当初からの合意事項であったコトは間違いないだろう。
そのネーム料に年2千万が妥当とは思えないが、50人が目標の主任研究員は現在13名止まり。
開校のメドは立たず開校時期も内部で意見が分かれている状況での、来年9月任期2年での退任表明だ。

報酬の4千万はノーベル賞受賞者の『役得』だろうか。

時を同じくして、沖縄返還にかかる米軍の移転費用については、全て日本側が負担する旨の密約があったとかなかったとか、毎日新聞とTBSが特集を組んでいた。
時効とともにそれらを裏付ける文書がアメリカで公開される中、日本政府は一貫してそのような密約の存在を否定している。

このハナシは非核三原則の米軍への不適用の密約、なんてのに発展していくのだが、非核四原則はともかく冷戦時代極東に展開するアメリカ第七艦隊が、日本に寄港するときだけわざわざ核武装を解除しているワケがなく、それは今現在横須賀や佐世保に居る米軍の潜水艦にも言えるワケで、そんな公然の秘密を護持することが、現政権の維持に必要不可欠な日本の『政治』というものが、いささか滑稽だったりする。

表向き移転費用の一部負担としながらも、実質全てを日本に負担させてこの機会に施設をリニューアルする米軍が、戦勝国の『役得』なら、二世代前のじいさん時代の密約で、沖縄をネタにカネを動かすプリンスは世襲議員の『役得』だろうか。

ちなみにこのネタで、Wikipedia安藤和津
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E8%97%A4%E5%92%8C%E6%B4%A5
から犬養健
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8A%AC%E9%A4%8A%E5%81%A5
共同通信社
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B1%E5%90%8C%E9%80%9A%E4%BF%A1%E7%A4%BE
なんて辿るとまた面白い。