時代はPLC

コンセントを利用したネットワーク接続のPLC(Power Line Communications=電力線通信)が解禁され、売れ行きが好調だそうだ。
電話線も電力線も同じ「銅線」であるから、ADSLが可能なのであればPLCも可能なコトは容易に想像がつく。

ただ、使用許可されている周波数帯がアマチュア無線と重複することから、「電波干渉を考慮しその利用は屋内に限定」というコトで、当初「意味ねぇぢゃん」と不評だったものだ。
トコロが実際運用に入ってみると、新規にLANケーブルを敷設する必要のないPLCは「屋内限定」でも好感されているようだ。
LANケーブル敷設不要と言えば「無線LAN」が主流だが、実際の運用では電波レベルが不安定で通信速度が思ったよりも出ず、「公衆無線LANスペース」といった使い方意外ではあまり使い勝手の良いものではなかった。
となれば「LANケーブルに邪魔されないネットワークの素晴らしきかな」といったトコロだろうか。

まだ現段階ではパソコンに内蔵されたモデルもなく、またモデムは親機も子機も少し大きめで値段も高価、さらにモデムからパソコンまでは従来のLANケーブル接続というコトで、その恩恵を最大限享受するまでには至っていないのだろうが、今後のネットワーク構築の主流になることは間違いないだろう。
とはいえ売れ行き好調の松下のPLCは「独自の通信方法」を採用しているらしく、他社製品との互換性に乏しい模様。
(新技術での主導権争いは毎回のことだが、β方式の悪夢は二度とご免被りたい。ブルーレイとかもそうだけどね。)
さらに一部のアマチュア無線愛好家などから利用差し止めの訴訟が起きるなどマイナス要因も多々あることから、当面は無線LANによるネットワーク運用をオススメしようと思う。
(個人的には「一部のマニア」の権利など「即却下」でお願いしたいトコロだが・・・)

それくらい、「LANケーブルを使ったネットワークの構築」とは悲惨なものだった。
思い起こせば昔いた会社のネットワークは机の下に隠した配線はタコ足どころの騒ぎではなく、端末の増設などでは毎回アタマを悩ませていた。
だいたい、1台のパソコンを置くのにコンセントは増設タップが必要で、その他LANケーブルにプリンタケーブルにACアダプタまで付いてと、いちいちケーブルが多すぎるのである。

そういう意味でも、究極的にはコンセント一本だけでインターネットにも接続できるコンプリートパッケージの登場が切望される、「PLC出足好調」なニュースなのでした。
「すべての家電製品がネットワークで接続される」なんて寝言は、その何年も後のハナシやて。