インドが良くて北朝鮮が駄目な理由

見るヒトが見れば「ナニを今さら」と言われてしまいそうだし、「ナニを今さら」なのは書いている本人が書いていて一番感じているトコロではある。
ただ、それでも何か書きたくなるのが1月10日の読売新聞朝刊に載ったこのニュース。

日本政府がインドの核保有容認へ、経済関係を優先
1月10日3時13分配信 読売新聞

 政府は9日、核兵器保有するインドに対し、民生用原子力利用への協力として、日本企業が原子力発電所建設などに参入することを容認する方針を固めた。

 具体的には、米国によるインドの民生用原子力利用支援やインドの核保有容認を盛り込んだ米印原子力協力協定への支持を表明することでこうした道を開く。核拡散防止条約(NPT)体制堅持を掲げてきた日本の不拡散政策の例外措置となる。

 政府は、安倍首相の年内の訪印を調整している。インドと国際原子力機関IAEA)の査察に関する協議などを見極めながら、日印首脳会談で米印原子力協定に対する支持を表明する見通しだ。

 NPT体制は、核保有国を米英仏中露の5か国に限定し
、他の加盟国は核兵器保有をできず、民生用の原子力利用も兵器転用が行われないようIAEAの厳格な査察を定めている。核兵器保有しているインドはNPTに加盟していない。

今後原発をボコボコ建設する見込みのインドにおいて、その参入に出遅れることは致命的と訴える経済界からの圧力に応じた格好で、背景には急成長を遂げるインド経済と(株式)市場というのがある。
社会主義とは名ばかりの独裁体制で経済は破綻、麻薬と偽札の製造でなんとか支えている北朝鮮と比べるまでもなく、「是非とも仲良くしておきたい」というのはあまりにも明らかなコト。
そんなコトは分かっているのではあるが。

この「核拡散防止条約(NPT)体制」というものがどうしても解せない。
太平洋戦争当時広島と長崎で実験を行ったとか、日本は唯一の被爆国であって云々という下りはそういうのが好きなヒトに任せるが、その後1000回以上にも及ぶ核実験の実施回数はロシア以外にはどの国も遠く及ばない。
そんなアメリカに迎合して傘に入れてもらう立場であっても、そのアメリカが主導する“ジャイアン制”に
何らの異論も唱えられないというのはいかがなものであろうか。
これなら米英仏中露5か国並みの既得権を得たいならば、早い段階でNPTから離脱し、核保有国として改めて国際社会に参加するというのが賢明な判断に他ならなくなってしまう。
北朝鮮は判断が遅かっただけ。

条件はいろいろある。
まず第一に「間違いなく核爆発を起こせる技術力を持っていること」。
次に、「その弾頭を正確に目的地で爆発させるさせる手段(大陸間弾道ミサイル)を持っていること」。
さらには、「禁輸措置などの制裁も問題にならない資源があること」。
そして、「無視できない圧倒的な内需があること」。

北朝鮮はこの前の地下核実験で一応の「成功」を主張してはいるが、1の条件にいささかの疑問。
日本海に落ちてしまったので2の条件も満たせず、3についても地下資源はあれど食糧が自給できす落第点。
そして破綻した国内経済から4の条件も満たせないとなれば、単に「判断の時期が遅かっただけ」とも言い切れない。
日本は3の条件で致命的である。
となれば、インド以外にはなか
なかそういった国が見当たらない。
冷戦時代の「社会主義だ」「資本主義だ」という対立があれば、潤沢に資金の供給された時期はある。
それもソビエト連邦が崩壊してしまえば過去のハナシ。
やっぱり北朝鮮は判断が遅かっただけなのかもしれない。

首相の外遊にはそれなりの「手土産」が必要とされ、訪問が検討されている段階から外務省の担当が何らかの外交的発展を模索し続けるもの。
東南アジア諸国にはカネをバラ撒くコトで、歴代の首相は大手を振って訪問してきた。
にしても、だ。
支持できないプリンスの訪印の手土産がコレとは、認めたくないものだ。
ならば一度解散して国民を真意を問うのが本筋、とこれまた任期満了までは絶対にあり得ないようなコトを言ってみるのだが、自民党の二番煎じ路線の民主党が勝てるとも思えないし、投票もしたくない。
インドが良くて、北朝鮮がダメな理由とおんなじなんだなぁ。

インド綿マット 「バロン」 (ブラウン)
イケヒコ・コーポレーション