厨房見たら食えない

「プロ」と「職人」の違い、ってハナシがあります。
「仕事」で対価を得、生計を立てられる「プロ」の中でも、一流の「仕事」、すなわち見る者に感動すら与えるのが「職人」。
そういったトコロでしょうか。

長年携わったガソリンスタンド、そのスタンドマンにすらそういうものはあって、とりあえず接客から日常業務、自動車の軽整備をこなせる「プロ」の中にあって、「ガソリンをこぼさない」、「事故を起こさない」、「トラブルを起こさない」、「整備ピットを汚さない」、「作業着を汚さない」というのが「職人」でしょうか。
特に最後の2つはその筋の者であれば一瞥すれば分かるものなので、自動車を預ける前に整備ピットを遠目に眺める、というのは結構重要だったりします。
忙しかったら散らかるものだし、ヒマな店ならいつでもキレイなもんでしょう、というのは素人の考えであって、「職人」のいる店といういのは作業直後であっても整然としていて直前まで作業をしていた気配すらしないもの、そして絶えずお客さんがいるものなのです。
逆に「プロ」しかいない店というのは、閑散としている割にピット内は雑然
としていて、それでいてスタッフは雑談にご執心、というのが常となっています。

板前の世界でももちろんそういうものがあって、特に刃物の扱いについては板長から口うるさく言われるものです。
包丁は、使ったら必ず汚れを落とし、常に定位置に置くこと。
そんな簡単なコトが、出来ないヒトの方が多いというのだから驚きます。
「包丁は職人の魂」なんて浪花節以前のものなのですね。
言われてみれば確かに、良い仕事をする寿司屋の板さんはカウンター越しに見える景色も確かに清潔なもので、繁華街に長年店を構え名店と呼ばれる老舗の厨房と、郊外に自宅兼店舗として店を構え、営業してるんだが分からない商売をしているお店のカウンターを比べれば、それは素人にだって明白だったりします。

「職人」の業に依存した店舗運営は多店舗展開には向かず、「プロ」で運営できる店舗へとノウハウの普遍化が必要になる。
その究極型が「フランチャイズ」であって、「ノウハウなしに即開業できる」はフランチャイズの常套句となっている。
それら職人不在のフランチャイズに共通して言えるコトは「見せられな
い」ということであって、外食でも小売でも「見えない店舗作り」というのが必ず施されている。
実際「電子レンジで温めただけのハンバーグ」に1000円は払えないだろうし、コンビニのバックヤードとソコでされる会話なんてお客さんにはとても見せられない聞かせられない。
ましてアルバイト店員がする我が愛車のオイル交換なんて・・・オーナーが見たら損害賠償ものだろう。
「見えない」からこそ汗水たらして稼いだお金を払えるのであって、見えてしまったらカネを払う以前に「食べる」コトすら不可能。

最近話題になっている「不二家」にしたって、「ケーキ」というものとそれを日常生活の中で身近に食べられる存在にしたこと、またそういう文化を定着させたということでは戦後日本に多大なる貢献を果たしており、それは「消費期限」を1日経過した原材料を使用したからとて失われるものではない。
確かに、問題を認識しながら「雪印の二の舞」として隠蔽した企業体質、「賞味期限」と「消費期限」の区別がつかない担当者と、その担当者に「任せて」しまう企業体質、ひいては「廃棄処分」を殊更に問題視する企業体質は批
判されて当然だろう。
そういう部分さえ経営者がしっかり認識出来ていれば、決して「雪印の二の舞になる」なんてコトにはならないと分かるハズなのだが。
自分の会社を正しく認識できない経営者、担当者こそ、辞めるべきであると考える。

バイト先のファミレスで床に落ちたステーキをそのまま盛り付けて客に出した、なんて現場に居合わせたコトのある方は、是非コメントを残して頂きたい。



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