あるメールから

談合体質だ官僚主導だといかにも日本的な政治体質への批判からか、各地でタレント議員、タレント知事が取り沙汰されている。
長野の田中康夫前知事は話題に事欠かなかったし、大阪府知事になった横山ノック氏の就任後の豹変ぶりは物議を醸した。
先日亡くなった青島氏もその一人だし、作家であり元国会議員でもあった現石原都知事にしたって、ワタシからすればタレント知事だろう。

県の要職を歴任した、とか、どこぞの大学で功績がある、とか、素性も分からなければ縁もゆかりもないオッサンやオバチャンが、どうやら背後にある支援団体と政党の都合やらメンツやら順番やらで立候補してくる。
興味も無いがなんとなく選挙が終われば誰かが当選していて、翌日からは知事などとして「県民を代表して」みたいな能書きを垂れるコトとなる。
それから比べれば、テレビでの露出から見慣れていて「よく知っている」と錯覚してしまいがちなタレント候補というのは、選挙をより「身近なもの」に感じさせてくれ、投票して能動的に「選んだ」感覚を選挙民が味わえるものだろう。
今話題のそのまんま東知事にしたって、ただ知事に
なっただけでこれだけ全国から注目を集めるコトが出来たのだから、それだけでも選んだ甲斐があろうというものだ。

誰がやったって同じ、にしてもだ。

その東国原宮崎県知事が、ライバル候補であったもちなが哲志氏に、副知事就任を打診しているのでは、と話題になっている。
先日届いたあるメールに、その持永氏の通産省時代を知っていて、あの羽振りの良さからは想像もつかない選挙戦での平身低頭ぶりと、その後の落選を残念に思う内容が記されていた。

持永哲志
開成高校から東大法学部を経て経済産業省入省、後に経済産業省技術振興課長。
父親も、そのまた父親も国会議員という絵に描いたようなエリートだ。
しかしながらオヤジの引退とともに衆議院議員選挙に出馬するも落選。
さらに2年後の衆院選にも落選。
そして今回の宮崎県知事選でも、降って湧いたようなそのまんま知事に敗れ落選。
「選挙さえしなければ」良いヒトだったのかもしれない。

時代が、悪かったのだ。
10年早ければ当確間違いナシの「元官僚」も、政界のサラブレッド「二世」も、今は全て
逆風。
さらに父親が選挙の度に叩かれた「薬害エイズ事件」やミドリ十字との癒着疑惑も、笹川センセー亡き今ではこんなトコロにまで軽々しく書かれてしまう始末なのだ。

その持永氏への副知事就任要請。
よく見れば中央省庁とのパイプ作りだろうし、自民党とのパイプ作りとは所詮東国原も俗物、という見方も出来る。
また、旧体制との決別を期待していたのに、結局元の木阿弥、という感覚は、ワタシでも容易に想像がつく。
そんな反応を見ながらの人事になるのだろうけれども、「勝てば官軍」で選挙民の意向など次回選挙まで無用。
それよりも中央省庁と政権与党とのパイプ、「それが政治」なんてコトはとっくに教えられているであろう東国原知事の、異様な程の腰の低さが返って薄気味悪い今日この頃なのである。

もちながさん、副知事になっちゃったら、衆院選出られませんぜ?