空中元彌チョップ

全部ゲロして捜査に協力する替わりに、情状酌量実刑は免れられると司法取引したはずが、思わぬ実刑判決に慌てて控訴している元ライブドア宮内クンのハナシも面白いのだが、今日は下げまんのハナシ。

最近狂言界のプリンス・和泉元彌ファミリーの資金難が報じられている。

昨年、和泉流狂言の事業運営会社が東京国税局に所得隠しを指摘され、1億円以上の追徴課税をされたことで資金繰りに四苦八苦しているとみられる。
 差し押さえられたのは東京・板橋区の約52坪の土地と2階建ての住宅。昨年6月末に板橋区から、また10月には東京国税局から差し押さえられた。また衣装部屋として借りていた自宅隣接のアパートの家賃や駐車場代も滞納。「和泉宗家」の窓口だった携帯電話も止められているという。
【2007年3月22日ゲンダイネット掲載】
文化だ宗家だとちやほやされても、興行的にはさほどの注目を集められない「狂言」を周知すべく、このイケメンさんがテレビ露出を始めた時は、協会としても止めはしなかったハズだ。
実際そうでもしなければ、格式だ家柄だと何かとカ
ネがかかる割には、「儲かる」「儲かっている」とまでは言えなかったと思うし、それなりの観客動員数の増加には繋がったと思う。
ところがテレビに露出したいがための話題作りに窮するあまり、おかあちゃんの過剰演出が始まった。
この「本業へのトラフィック誘導のハズが、露出することが目的になってしまった」というのが一番の本末転倒であり、この辺りから協会もそっぽを向き始め、「宗家とは認めない」なんて言われたりもした。

で、この頃テレビ出演のドタキャンとかあったらしいのだが、「収入的に有利な公演を取った」というのがテレビ側の言い分だ。
つまり「テレビ出演は知名度を上げるが、然程の収入でもない」と。
その公演も「狂言」では長続きせず、ド派手おかあちゃんの講演なんかに趣向を変えていくのだが、ついにはギャラ1回300万円也(これも公表すべきではないと思うのだが・・・)でのプロレス参戦となったらしい。
差し押さえはどうやらこの時期と思われる。
その和泉元彌ファミリーの「今」として、お一人様月3000円の狂言教室と沖縄・石垣での公演予定があり、その石垣での会場
使用料17万某というお金が未だ未納とのこと。

納税対策を怠ったのは、とりも直さずマネージャーであるド派手おかあちゃんの責任であり、その「ド派手」演出も注目を集める為の演出とはいえ、野村監督夫人同様「本人の趣味的要素」を排除しきれない。
その追徴金をキャッシュで用意出来ず、財産価値があるとはいえ換金の難しい自宅を差し押さえられたとしてもしょうがないし、そういう状況では衣裳部屋や駐車場の賃料など「それどころではない」だろう。
ただ、お一人様3千円の狂言教室でチマチマ集めたカネでなんとか会場を押さえ、公演によりさらに大きな収益を上げようとする涙ぐましい努力を、バラしてしまっては身も蓋もない。

この二人がここまで資金的に追い込まれてしまった背景には、協会の後ろ盾をなくしたというのが大きい。
ただ商売人というもの、誰しも自転車操業であることに違いはなく、傍から羽振りが良いように見えるのは、単に動かしている金額が大きいだけだったりもする。
短期的に利益が出ているように見えても、長い目で見れば(若しくは合法な範囲内で活動すれば)そんなに私腹を肥やせる
ものでもない。
実際元ライブドアの宮内クンが買ったフェラーリだって、ファンドのカネを私的に流用したものだとバラされたし、それがまるきり無駄かと言えば、そうやって儲かっているフリをすることで、さらに資金が集められるのであるから、「勝ち組みヒルズ族」を演じることは「まるきり無駄」とも言い切れない。

ともかく、テレビ出演をドタキャンされたのを根に持っているのかもしれないが、一生懸命に凌ごうとしているヒトの台所事情をバラしてしまうというのは、人として褒められたものでないと思うのです。
ところでゴタゴタは結婚後のようだけど、起死回生に奥さんのヘアヌードでも、どう?

世にもおもしろい狂言
680円 / 茂山 千三郎著