脳年齢 年金すでに もらえます

第一生命主催のサラリーマン川柳コンクールで、今年の一位に選ばれたのが、表題の作品だそうだ。
それくらい、「脳年齢」というコトバは浸透した。
DSと言えばコレ、というくらい、通常ゲームなどしない年寄りにまで浸透した。

だから東北大加齢医学研究所の川島隆太教授が、「脳トレ」の監修料として昨年4億4千万円の収入があったとしても、さして驚きはしないだろう。
問題はその使い道。
研究室に入る監修料の半分は、個人収入と出来る契約にもかかわらず、全額を研究費に拠出するらしい。
さらに今年も3億ほど入る予定らしいが、そいつも「別の研究棟」の建設に充てるらしい。

このハナシで思い出されるのが、民間企業の研究室で世界的な発明をし、企業はその特許でボロ儲けをしているのに、当の発明者には「金一封」のみとは不当として、社員が会社を訴えたというハナシ。
成果の上がるかどうか分からない研究を、給料貰って「やらせて貰っていた」んだし、その「世界的な発明」も狙ったというよりは偶然の産物に近い。
ならば「金一封」でも貰えただけ有り難いと思え、という意見も多いが、発明による企業のメリットを考えると、満額とは言わないまでもある一定の線までは認められるというのが、最近の裁判所の判断の様だ。

川島教授の場合、「老い」の研究では世界的にも有名な東北大加齢医学研究所の、しかも教授という肩書きなしには、今回の仕事はそのハナシすら来なかったワケで、ソコからすれば(監修料の)半分を貰える契約の方が「オイシイ」のかも知れない。
また東北大はかの西澤学長以来「産学連携」を強く打ち出しており、民間に転用出来る研究を行って、上げた利益を研究に再投資する風土が出来上がっているというのもある。
そもそもは東大京大に持っていかれて、満足に配分されない研究予算が根底にあって、だからといってある特定の民間企業に利益を誘導する様な研究でいいのか、という議論もあるが、今回の前例により今後も教授が個人所得を得るコトは難しくなりそうだし、そういう善意の教授が居る限り、東北大の産学連携は有意義なものであり続けるだろう。

ただ、当の川島教授はそういう皮算用抜きに、「最新の設備を備えた研究所が欲しい」という一念だけなのかも知れない。
(あとは「川島記念会館」みたいに名前が残るだろう、とか?)
それにしてもそのハナシ、よく嫁さんが許してくれたなあと思いつつ、そんな教授の嫁ならとっくにそんなものは諦めているだろうなとも思う。
(川島教授に嫁さんが居れば、のハナシね。)

totoBIGのキャリーオーバーにシステムがパンクするほど熱狂している傍らで、2億からの収入をポーンと放棄してしまう、なんとも太っ腹なハナシなのでした。