美辞麗句

平岩外四(ひらいわ・がいし)というオッサンというか、御年92歳になるジジイが死んだらしい。
大のジャイアンツファンだったというコトもあるのだろうが、読売新聞は4面に渡ってその訃報を大々的に報じている。
しかしながら、正直この人物を知らない。

証券不祥事の頃の経団連会長だったらしいから、名前くらいは聞いたかも知れないが、不始末の当事者というワケでもない。
細川内閣当時の「経済改革研究会」の座長を努め、構造改革を提唱する「平岩レポート」を出した、と言われているが、果たしてこれが「改革の原点」だったのだろうか。

東京帝国大学から東京電力に入り、後に社長、会長を歴任する。
経団連の会長だったあたりから政治力を発揮していたらしいが、『差し障る』として一切を明かさなかったという。
その『差し障る』には、何やらカネのニオイがプンプンする。

結局、経団連献金斡旋を廃止したとその功績を称えられるが、要は自ら作った仕組みを否定しただけ。
高度経済成長の大波に、企業献金というボードで見事乗っかった、ラッキーな皆さんのうちの一人でしかないだろう。
(とはいえ「乗れなかった」ヒトから比べれば、乗れただけでもスゴいコトなのだが。)

年金の加入記録が宙に浮いて、責任論が浮上する最中に、「ヤリ逃げ」がまた一人。
もともと支給するコトなど想定外の制度だったのだから、そりゃグリーンピアだって作れるさというハナシ。
あとはロンヤスのヤスの方と、マスメディアのツネあたりが「ヤリ逃げ」待ちだろうが、彼らから以降の、引退後の院政が慣習になりつつある現状のほうが、今はむしろ問題ではないかと思う。

別に訃報の主に恨みはないのだけれど、こういう場合のお約束で美辞麗句の限りを並べる『メディア』の皆さんに、ちょっと吐き気がしたという、そういうハナシなのです。
日本で言う『まつりごと』とは本来そういうものだとしても、裏でばかりコソコソするのは、あまり見習うべきものではない。
そう思う。