マイノリティ・アラート

久し振りに共産党の志位さんがテレビに出てきたと思ったら、陸上自衛隊内の情報保全隊なる組織が、イラク派兵に反対する市民運動などを調査、情報収集していたとして、これが集会、結社、言論の自由を脅かすと自慢げに発表していた。
見ていて問題だと思ったのは、その情報収集活動よりもむしろ文書漏洩のほう。
いくら秘密扱いではないとは言え、調査対象の当事者に入手されては「情報保全隊」の名前が泣く。
陸自の大失態以外の何ものでもないだろう。

ソビエト連邦の崩壊により、イデオロギーによる対立軸は描きにくくなり、またカネにもならなくなった。
時代は国家対国家によるイデオロギーの対立ではなく、国家対テロの経済的支配を目的とした表向き宗教紛争へと移ってきた。
その中で、「反戦」を掲げる市民運動を煽動して、現政権を批判する世論を盛り上げようとするならば、それは「テロ」とまでは言わないが、今後そういう活動になりかねない「テロの種」と見ることは可能であって、その動向を把握する必要は当然発生する。

そもそも、そういう活動から知名度が上がればいずれは政治の舞台に、なんて下心ミエミエの活動家センセーが、名指しで資料化されることに異論を唱えられようか。
そして、今回騒ぎ立てた日本共産党にすれば、いくらイデオロギーの対立軸は崩壊したとは言え、「共産党」を名乗っている以上は監視の対象となって当たり前だろう。

確かに、当事者は当事者なりに国を思ってのコトだろうが、結果として先の大戦に国を導いたのは軍部の暴走。
全てをベールに包んで暗躍する公安の活動だけでも気味が悪いトコロに、軍諜報部まで動き出し、不都合なものは全て排除する「美しい国」作りを提唱する宰相と来れば、軍靴の響きが聞こえて来なくもない。
さらにこんなコトを書いていたばっかりに、ある日突然連行される憂き目に遭う危惧も、無くはない。
そういったことへの警鐘として、いちいち「憲法違反」と騒ぎ立てる玄関先のスピッツの様な存在も、必要と言えば必要なのかも知れない。

ただ、こういうアラーム機能は決して多数派にはなり得ないというのも、大衆のバランス感覚であって、間違って多数派となってしまった共産・吉田万三氏の足立区政などは、退いて2期目の区長選でも引き合いに出され、また批判されている。
確かに、歳入の乏しい中で歳出の半分以上を福祉民生関連に支出しては、財政が逼迫して当たり前だろう。
また蛇足だが、メディア規制が持ち上がる度に「言論の自由」を振りかざすマスコミは、その主張の根拠が自らの保身でしかないことがミエミエで、その部分が日本共産党とは似て非なる所以だろう。

ともかく、この程度では来たる参院選には何の足しにもならないだろうけど、永遠の少数派日本共産党も頑張って欲しい。
まずは党名変更のイメージ戦略から。