キャディ

横峰良郎氏が、民主党から参院選比例区へ出馬を表明した。
「ヨコミネ」と聞いてピンと来る人もいると思うが、「さくらパパ」と言えば了解する人も多いだろう。
そう、話題性一番、女子プロゴルファーにしてはオシャレな出で立ちと、最終日に総崩れするプレーで有名な横峰さくら選手のオヤジだ。
パターが苦手なさくらちゃんでもいい。
とにかく、「負けず嫌いのさくらを発奮させる為(本人談)」にラウンド中罵倒し続け、ブスっとした娘がイライラしながらラウンドする後を、バックを担いで追いまわす姿で有名になった、名物キャディのオヤジだ。

このオッサンの、女子プロゴルフ界の選手層の薄さに目をつけ、娘達にゴルフ漬け英才教育を施し、ソコからトーナメント上位に名を連ねる選手を育成した実績は認める。
常に話題を作り続け、風前の灯火だった女子プロゴルフに世間の関心を集め、男子プロ以上の注目を集めたゴルフ界への貢献度も認める。
ただ、このオッサンに政治を託したいと思うかと言えば、それはハナシは別。
知名度だけで集票を狙う民主党の姑息な手段。
たとえその姑息な手段が「意外に効果的」であったとしても、話題性に頼る選挙戦略は即ち自らの政策を否定していることにはならないだろうか。
政権を担いたいのであれば、「年金問題」を夏の参院選の争点にしたいのであれば、この年金問題を解決できるような「案」を提示するべきだろう。
責任追及だけが野党の役目ではない。

対して自民党比例区の目玉候補が、中山恭子さんという御歳67歳になるオバチャン。
小泉政権時代からの首相補佐官であり、拉致問題での活躍は「この人あり」と言われる人らしいが、正直あまり知らない。
「聞いたことがある」と言った方が妥当だろうか。
その最大の功績である「拉致問題」についてだが、それも意地悪な言い方をすれば「そういうポジションに就いていたから」とは言えないだろうか。
いずれにしても、「拉致問題」を再三政治利用してきた安倍晋三氏の姿勢は到底賛同できるものではなく、また「拉致問題」だけが国政ではない。
その問題で活躍したいなら、このまま首相補佐官として、次代の内閣総理大臣の下でもご尽力頂くのが筋と思うが、どうだろうか。

たしかに、何の知名度もない候補者が、いかに崇高な政治理念の基で立候補したトコロで、当選などありえないのが現実。
タイゾー議員のようなタナボタ当選は、「祭り」の状況でしかあり得ないハナシだろう。
だからと言ってマスメディア露出度の高い著名人になることが、政治家になる最短ルートというのもいかがなものかと思う。
そんな風潮を肯定(つまりいずれはその流れに乗りたい気満々)するオズラさんと、「落ち目の人が引き受けるタレント候補はカッコ悪い」と言い切ってしまう室井佑月嬢の掛け合いが、なんとも印象的な朝だった。
民主主導、タレント候補優勢という製作側の意図に反する、元祖オマタで考える女性のストレートな感想は、言い得て妙で痛快だったりする。

みんなのゴルフ4
2,580円 / メディアワールド