何が彼らをそうさせたのか

dubrock2007-07-18


通りすがりに「殺す」という物騒な文字が飛び込んでくる。
近所でも有名な、イカレ住人のハナシではない。
人の良さそうな老夫婦がやっている、角のタバコ屋さんでのコトだ。

駄菓子も売っているそのタバコ屋さんでは、近所の躾の悪いガキどもが食い散らかした駄菓子の包装などもこまめに掃き掃除をして、周辺の環境美化に努めている。
高価で引き取られるプルタブ欲しさに空き缶入れを荒らされても、人目に付く前に片付けている。
自販機だって過去に何度もイタズラされた。
それでも、「皆さんのおかげ」と言わんばかりに低姿勢で、タバコのカートン買いにはライターを付けて、真心の商売を続けてきた。
しかし、そんな姿勢にもついに限界が来た。
空き缶入れのフタを開けて、家庭ゴミの大きな袋が投棄されたのだ。
それも、一度ならず何度も繰り返し、である。

自販機脇に置かれる空き缶入れは、「空き缶入れ」であって「ゴミ箱」ではない。
それに何の違いが、と言われそうだが、「空き缶入れ」に回収された空き缶は、リサイクルに回される。
その「空き缶入れ」に入れられた一般ゴミの分別に費用がかかり、リサイクル自体が立ち行かなくなりそうなのである。
コンビニのゴミ箱にしたって、サービスエリアのゴミ箱にしたって、良識の範囲内で利用しているうちは問題なかった。
一部の非常識な人間のおかげで、大半の利用者までもがとばっちりを食っているのだ。
そうは言っても、相手は「非常識な奴ら」。
そんな周りの迷惑が分かるくらいなら、「非常識」ではないのだから仕方ない。

そんな、虫も殺さないタバコ屋さんの方針転換宣言とも言える、写真の貼り紙。
貼られて一月が経とうとしているが、肝心の一般ゴミの投棄は収まりそうにない。
「客なんだから、ゴミぐらい捨ててもいいでしょう。」
そういう奴に限って、たいした購入ではなかったりする。
「お客様は神様です」と言ってしまった三波春夫と、ゆとり教育が悪いんだ。
そんな「ゆとり世代」に育てられた「ネオゆとり」は、尚更手が付けられない。