それが我慢できない

ETC車載器の普及とともに価格も下落の一途を辿り、楽天でのETC販売価格は2000円を切るところまで来た。
なぜ2000円を切れるかと言えば、怪しげな財団法人ORSE道路システム高度化推進機構
http://www.orse.or.jp/
が「ETCらくらく導入キャンペーン(ETCリース制度)」というのを平成19年度も引き続きやっているからなワケで、その制度を活用すれば支払い総額から5250円(4輪の場合)が助成されるという、なんともおトクなハナシがカラクリになっている。
この助成制度、「ETCをリースで購入する」というのが適用の前提になっているので、販売各社とも頭金○○円と、24ヶ月後に残金の10円(乃至100円)という便宜上のリース契約を取り交わすことになっているが、24ヶ月後の残金について支払いが無かったとしても督促されるかどうかはうにゃむにゃ・・・というのが一般的である。
なので禿率いるYAHOO!JAPANが「Yahoo!カード - ETC車載器お客様負担0円キャンペーン」
http://card.yahoo.co.jp/campaign/etc/200705jrs/syasaikimuryou.html
なんてのを展開していても、クレジットカード入会申し込みによるカード会社からのキックバック(通常1万円前後)を考えれば、ちっとも驚くべきハナシではない。

ともかく、ETC車載器は安く入手できるようになった。
対して通行料金はというと、通常使える深夜割引

東/中/西日本高速道路株式会社の3社が管理する全ての高速自動車国道を深夜時間帯(0〜4時)に走行した車両に対して、利用区間の通行料金を3割引いたします
のほかに、大都市近郊に住んでいれば早朝夜間割引
大都市近郊区間の早朝夜間時間帯(22〜6時)が5割引になります。(100km以内の利用距離に限る)
大都市に住んでいなくても通勤割引
大都市近郊区間を除いた地域において、朝夕の通勤時間帯(6〜9時、17〜20時)が5割引になります。(100km以内の利用距離に限る)
なんてのもあって、さらに休日渋滞ポイントにおける時間帯料金割引の社会実験
日曜・祝日に首都圏の渋滞ポイントを含む区間に指定された入口IC及び出口ICを利用し、入口ICまたは出口ICのいずれかの料金所を20時〜22時に通過すれば5割引になります。
となれば、年に1回でもこれらの割引を享受できるのであれば、充分に元が取れるくらいに充実してきた。

となれば、買うしかないでしょう、なのだが、何が我慢できないかって二輪車へのETC車載器取り付けのコト。
マイコミジャーナル2006年9月の記事に詳しく載っているのだが、
二輪用ETC、11月1日から本格運用 - ETC車載機は日本無線から発売
http://journal.mycom.co.jp/news/2006/09/21/421.html
それから1年近く経った今でも、ETC車載器は日本無線からの販売のみ。
二輪用品を扱う大型店ナップスには展示すらなく、2りんかんには展示こそあれ販売価格は定価そのままの31500円という、4輪とは天と地ほどの差があるのだ。
この価格について日本無線は、

二輪用では防水防塵などの対策に加え、四輪用の20倍以上の耐震対策をしなければならず、また販売数が四輪に比べ少ないことで量産効果が見込めないことからこの価格になったとしている。
というコトだが、要は「(国から)頼まれて作っただけで、やる気はない」というコトだろう。
もちろん謎の財団法人ORSEもこの価格を考慮して、前述の「ETCらくらく導入キャンペーン(ETCリース制度)」の二輪助成額を15750円にまで引き上げてはいるが、焼け石にお湯というか、高いことに変わりなない。

となれば当然思いつくのが、「料金の同じ軽自動車(4輪)のETC車載器を調達して、2輪車に付けよう」というもの。
もちろん、2006年10月施行の道路整備特別措置法で初めて明確に禁止されたらしいですが、ETCゲートを通過する二輪車のETC車載器が2輪用であるか、4輪用であるかというのは、なかなか判別できないもの。
もちろん、料金が倍ちかく違う大型車に、普通車とか軽自動車の情報を登録したETC車載器を付けて、仕事で日に何回もゲートをくぐればそりゃ悪質でしょうけど、その違法行為、ドコまで糾弾されるべきものなのでしょうか。

防水防塵、四輪用の20倍以上の耐震対策を施した専用のETC車載器でなければ2輪の車種情報をセットアップできず、またオンラインセットアップも認めない。
そんなガチガチの規制と異様な高値販売に、「事故防止対策の観点」以外の何か強い力を感じてしまうのは、ひねくれすぎだろうか。