富士山

dubrock2007-08-05


富士山が、世界遺産の候補になったらしい。

とは言っても、『世界遺産』の意義とか定義を知らないし、それを認定しているユネスコなど知ったこっちゃないので、その「候補になった」というのをどう取ればいいのかリアクションに困る。
ともかく富士山は、「汚い」という理由で永い間その候補にすら上らなかったのだという。

それは、スゴいコトだ。
何がスゴいって、地道な努力で登山者が残して行ったゴミを拾い続け、バイオトイレまで設置して候補入りさせた関係者の努力ではなく、世界的には低いながらも日本最高峰であり、信仰の対象にまでされている山を、「汚い」のヒトコトで片付けてしまうユネスコが、だ。
サムライ、テンプラ、フジヤマ、の「フジヤマ」は汚いからダメだ、と。

自然を最も愛するべき登山家が山を汚すハナシは、アルピニストの野口さんの活動によってかなり有名になった。
海を愛するべき漁師や船乗りも、海を汚すことに意外に抵抗がない。
美しい景観を楽しみに来る観光客が、草木を取り花を踏みにじるのみならず、落書きやゴミの投棄と傍若無人なのは相変わらずだ。

富士山の世界遺産入りの為であろうとなかろうと、ボランティアでゴミ拾いに精を出した方を批判するつもりはサラサラないが、ソコで観光客相手に商売をしている人間には言いたいコトがある。
美しい景観を観にたくさんの訪問者が訪れ、そしてそこで少なくとも市価より割高のものを購入し、それによって生計を立てているのであれば、環境美化にはもう少し時間と労力を割いてもいいのではないかというコト。

「ただそこにある自然」
で商売し過ぎている観光地があまりに多いのだ。
これは地方郊外の観光地だけでなく、都市部における観光地でも同じだ。

例えば「横浜」
港町というイメージで訪れてはみるが、みなとみらいに中華街に元町商店街と、どれもイメージとは違う。
やっぱりベイエリアを散策したいでしょうと思えども、ほとんどが企業の管理区域で立入禁止。
そのために山下公園を用意してんでしょうがと言われそうだが、この山下公園の海がすんげぇきたねえ。
それもそのもの水が汚いんぢゃなく、水に浮いたペットボトルやら発砲スチロールが汚く見えるのだ。

別に中華街のオヤジにゴミを掬えと言っているのではない。
日に2回、朝晩だけでもいいから、シルバー人材センターを雇って、たも網でさらって貰うだけで、どれくらいこの公園が生きるか分からない。

確かにあのゴミ、遠く余所の都市から流れて来たものかもしれない。
しかし現に山下公園に流れ着き、そして訪れた観光客を不快にさせているのであれば、商店街、ダメなら観光協会、若しくは自治体が予算を割くべきではないだろうか。

そんなワケで、汚い観光地にはっきり「汚い」と言ってしまうユネスコはスゲエというそういうハナシ。
写真は、山下公園に流れ着いたゴミ、では気分が悪くなるので、富士山の絶景でも。