試写会

都内某所で開かれた「試写会」というものに行ってきた。
これから公開する映画だというのに、なぜか感激して感想を述べている画がCMでよく使われている、あれだ。
公開前の映画を観られるというのはとても魅力的なことだが、これまでどうやれば招待されるのかよく分からなかった。
たまに一般公募もされているが当選確率は低く滅多に当たらない。
というか、当たったトコロでほとんどが平日に東京で行われるので、東京近郊に住んでいなければなかなか参加できないというのもあるのだが。

試写会の招待状が届いた映画は『Life 天国で君に逢えたら』。
大沢たかお伊東美咲が主演の、日本人で唯一、8年間ワールドカップに出場し続けながらも若くしてこの世を去ったプロウインドサーファー飯島夏樹の半生を描いた物語だ。
物語のあらすじはパンフレットや公式サイトその他あちこちに書かれているし、映画の冒頭が飯島夏樹氏の散骨シーンから始まることからも、結末は容易に推測できる。
その分かりきった結末に向かって進行するドラマで、いかに泣けるかというのがこの映画のポイントだろう。

非の打ち所がないこの感動物語には協賛企業として東宝を筆頭にTBS、電通MBSCBC、RKB、HBC、朝日新聞社、Yahoo!JAPANとマスコミ各社始め有名企業が名を連ね、その期待を外さないスケールの大きなハワイロケから始まる。
週末から大沢たかお伊東美咲がメディアに出ずっぱりだったのも、この協賛企業を見れば納得だ。
それが、舞台を日本に移した途端に日本映画特有の4畳半でゴソゴソ・・・というお約束の展開になってしまうのがちょっと惜しかったりする。
そりゃま、日本国内での撮影には何かと規制が多く、自由な制作活動が出来ないというのはあるんだろうけどさ。
舞台がまたハワイとなり物語はクライマックスへと向かったトコロで、そんなコトは忘れてしまうのだが、ハワイでの出来の良さがあるからこそ、日本でのシーンがとても残念だ。
そして、分かりきったハズの飯島夏樹の死のシーン。
それでもホロっときて、その「泣けた」という達成感で全ては満足してしまう。
この、「分かりきったオチを観て満足する」というカンジは、「キャリー」と似ている。
というか、「キャリー」のラストシーンを思わず思い出した。
映画を観て「泣きたい」というヒトは、是非観るべきだろう。

試写会の会場には泣く気マンマンの皆様が結集している。
映画開始前から気持ちを高めて臨んでいる皆さんが多いので、感動のラストの遥か手前から、すすり泣く声が聞こえてくる。
その、タイミングの早いすすり泣きを聞いてコッチはイッキに萎えてしまうのだが、コレはカネ払って観に来ている映画館でも恐らく同じコト。
周りの目を気にせず泣けるヒトには、絶対オススメだ。
(タイミングの早いすすり泣きの皆さんは、きっと「ダンサーインザダーク」でも泣けたに違いない。)

今回「試写会」へご招待されて思ったことは、久しぶりに先着順の席取りで、最近流行りの全席座席指定のシネマコンプレックスシアターの素晴らしさ、快適さ。
最近映画の国内興行収入が増加していると言うが、その立役者は間違いなくこれだろう。
それから、周りのすすり泣きが気になってしまう「萎え」派には、家でDVDのほうがじっくり泣けるかもしれないというコト。
(このカンジは「壬生義士伝」にも似ている。)
あと、大沢たかおはイイとして、伊東美咲がねぇ・・・
ともかく、初の試写会は、泣けた。
泣ける映画だった。

あらすじなど詳しいコトは、映画『Life 天国で君に逢えたら』公式サイト
http://www.life-tenkimi.jp/index.html