覆面調査

dubrock2007-08-25


少し前に「企業の覆面調査員」という存在がテレビで特集されていた。
企業からとる調査料が法外なので、さぞかし調査員は割の良い仕事かと思いきや、対象企業の提供するサービスを受けてレポートを提出し、得られる報酬は数千円。
しかもサービスを受ける為に支払った対価は実費というのだから、ややもすると収支がマイナスになり兼ねないというから驚きだ。

そんな企業に都合の良い調査員がいるものかと思いきや、時間に自由がきくことから乳幼児の育児を抱える主婦にウケて、登録者全国に多数というのだから驚く。
曰く、「いずれどこかの店舗を利用するのであれば、クライアント企業のサービスを受けてレポートを書くことで、多少なりとも収入になればプラス」という足し算らしい。
その足し算、理系のワタシにはどうしても納得出来ないのだが、世間ではどうなのだろうか。
しかも「お金を貰うのだから」と出されるレポートはかなりの字数。
全くもって分からない。

ちなみにこの子育て主婦の旺盛な社会参加精神と足し算を逆手に取って、「オープン前モニター制度」というマーケティング手法もある。

調査後、調査会社から依頼企業に出される報告書には、調査員の書いたテキストがそのまま付けられる場合が多い。
前述の通り調査員には小さい子供を持つ主婦が多いので、出される意見と感想は「女子トイレ」周辺に終始する。
その指摘は汚い、狭いから始まって、便座の温度からペーパータオルの残量まで多岐に渡る。
この報告書をもって、「トイレ、特に女子トイレの清掃こそ顧客ニーズ」なんて言い出す経営幹部は少なくないだろう。
ただその店舗、狙っている客層は必ずしも子連れ主婦層なのだろうか。
ターゲットから外れていれば、その指摘も当然的外れになる。

多店舗展開する企業の幹部ほど、このテの調査を好み、また有り難がる傾向にある。
それは自らの現場経験の無さを代弁しているようなものなのだが、テメエの店のトイレがキレイかどうかぐらい、第三者に聞かなくても分かって欲しいものである。
そしてまた、「調査すること」が目的になってしまって、その結果ナニをどうしたらいいのか、またどうしたのかについては、あんまり話題にならないのが通例でもある。
経営幹部のオナヌーネタを提供しようとは、調査会社も考えたものだ。

オレもやろうかな、覆面調査員。
その代わり、超辛口だぜwww