I shall return.

dubrock2007-08-30


タナボタで得た防衛大臣のポストへの、残留を賭けて望んだ訪米とその後の次官更迭は、結果としては裏目に出てしまった小池百合子氏。
一見可愛げあるように見えて、性格のキツーい一面が浮き彫りになって、「このヒトに権力を持たせてはいけない」と再認識したのは、ワタシだけではないハズだ。
時の権力者に取り入って政党を渡り歩いた彼女は、トップになるタマではなかったというコトだろう。

ともかく、次官人事でモメて大量の天下り問題を残した以外に、残した功績と言えば「I shall return.」という意味不明のコトバぐらいだろうか。
教養ある彼女がわざわざ不自然な「shall」を使ったのだから、マッカーサーが開戦直後の1942年、日本軍に追われフィリピンを後にした時の言葉で間違いはないのだろうが、敵軍の侵攻に身の危険を感じ敗走する司令官と同じ心境とは、一体どういうコトだろうか。

「must」でも「will」でもなく、「shall」を使うというコトに、明確な「必ず戻ってくる、来なくてはならないという恨みにも似た強い意思がある」と中学校の英語の講義で使えそうな例文ではある。
訪米の手土産にほとんど決まっていた次官更迭を、マスコミに騒がれた途端に責任だけ取らされ、在任たったの二ヵ月に次の入閣もなしという屈辱は、気が強くプライドの高い彼女が「恨む」ほどのものだったというコトだろうか。

防衛問題について永年展開してきた強い持論も、見解も解釈も、これといって持ち合わせている記憶が無い彼女が、そこまで防衛大臣に執着する理由はなんだろう。
数々の多国籍間協議で主張をごり押しした、まさに「鉄の女」ライス長官と肩を並べて、「マダム・スシ」と言ってしまえる空気の読めなさだ。
スピーチに何かジョークを混ぜなくてはならないという勘違いと、失笑ですら笑えない冗談。
どれを取っても「最悪」の2字に尽きる。

この局面で、「I'll be back.」ぐらい言えないのかという、そういうハナシ。
それにしても、パッとした政治家って、居ないなー。