おまえら皆殺しぢゃ(竹原慎二風でお願いします)

dubrock2007-10-02


幸運なことに招待状が届いたので、今回も「試写会」というものに行ってきました。
今回観た映画は「キングダム −見えざる敵−」。
<9.11>とか「FBI」、「テロ」なんてキーワードが並ぶこの映画、ワンカメでひたすら関係者のインタビューシーンが続くドキュメンタリー映画だったら眠いなあと思いつつ、出掛けて行った次第なのです。

映画の前半、物語の導入部はややかったる目。
1930年代から続くアメリカの中東支配の歴史が目まぐるしく紹介され、そんな中でのテロ事件発生。
仲間が巻き込まれたFBIはいきり立ち、たとえそれが他国であっても力づくで介入しようとする。
「もし仲間が殺されたら、たとえ100人失ってでも1人を殺す」
その意識を端的に現しているのが、劇中でFBI長官が語るこの言葉に集約されているのではないだろうか。
なんかこういうアメリカ人気質って、アメリカの映画ではよく描かれるけど、ちょっと引きますね。
実際のアメリカ人はこの映画を観て「そうだその通りだ」と思うんだろうか。
ベトナムでも湾岸でも、開戦当初はアメリカ世論が後押ししたことを思うと、おそらく根底にはそういう考え方が強いのかも知れませんね。
トコロが犠牲者が身近に及ぶと、途端に「反戦」に転じる。
アメリカってそういうものなのかも知れません。

「キングダム」ってサウジアラビアのことかぁ、イラクぢゃねぇんだ、なんかつまんねぇなあと思い始めた瞬間に、画面は一転してものすごいアクションシーンとなる。
あれだけの銃撃戦なのに主人公が被弾すらしなかったり、自動小銃から機関銃なみに無尽蔵に弾丸が発射されたりと、斜に構えればいろいろ突っ込み処もあるのでしょうが、そういうの抜きにハラハラドキドキのまま、エンディングまで一気に進行するのです。
映画、特にハリウッド映画はこうでなくちゃ。

静かなエンドロールを眺めながら、この映画の感想についてツレと語り合う。
そういう映画というのも久しぶりだなと思った、試写会なのでした。
ラストシーンは、一見の価値があり、考えさせられる。
そういう映画でした。
アメリカが標的にされるのには、理由があるんだよなぁ。

そうそう、この映画を観る前に、アメリカの中東での石油支配について予習されることを、是非ともオススメ致します。