「エリカ様」「エリカ様」って五月蠅いよ

dubrock2007-10-06


コレを話題にすると、釣ったプロモーターの思う壺なので、なるべく避けて来たのだが今日は沢尻エリカのハナシ。

笑っていいともが「友達の輪」でもなんでもなくて、ただ業界関係者のコネで告知をするだけの番組になって久しいが、最近のテレビが映画や舞台の告知に終始するのは、いかがなものだろうか。
映画に出た本を書いたCDを出したコンサートを開く、そういった利害関係なしにテレビに出てくるタレントが、ほぼ皆無という状況。
昔からこんなだっただろうか。

映画の公開を前に、宣伝を兼ねて出演者がインタビューを受ける分かりやすいものなら理解出来るが、最近のトレンドはむしろ「熱愛発覚」「破局」などの一見スクープとして扱われているもので、これらが実はただの話題取りである場合が多いというもの。
中にはミエミエのものも多数あるが、例えば好色の歌舞伎役者のハナシだって、そんな色恋沙汰がなければ歌舞伎自体が話題に上るコトなどないだろうから、知らず知らずのうちに乗せられている場合というのは意外に多いものである。

で、今回のエリカ様だが、よくもまあこんな2時間ドラマみたいなモノを映画として作ったものだと思う。
「○○製作委員会」という事業主体が映画を製作するコトにより、製作側のリスクを最低限に止めるのも今風のやり方だが、映画界の活況にも便乗した安易な映画製作は、日本の映画全体、まあそんなたいそうなコトを言わなくても、ファンの映画離れを引き起こしているとは言えないだろうか。

映画の反応がイマイチだったので、舞台挨拶で「エリカ様」を演じる演出をした。
それに批判が起こり、見事に釣れた局が釈明の弁を放送する。
引退するのか、活動休止かと、話題は未だに続いている。
それで、ブタコケ必至の映画に観客が押し寄せるとは思わないが、少なくとも映画の名前だけは周知のものとなった。

思えば共演者の竹内結子だって、前回主演の映画発表と結婚をぶつけて話題を取ったではないか。
今回は沢尻エリカが、その役目だっただけのハナシ。
そう思った瞬間に、こんなトコロにわざわざ書いて、しかもその是非について議論するなんて、実にバカらしくなってしまうのである。

今はドリカムの吉田美和が、この「エリカ様」に被せて話題を取っているが、この映画だってあまりにドンピシャのタイミングでプロモーションされているコトに変わりはない。
確かに、人一人死んだハナシなので開けっ広げに「ヤラセ」という声は聞こえないが、5年生存率のやたらと低い病気が発覚してから企画された映画、と取れなくもない。
だいたい、ヒトのダンナ寝取っておいて、「悲劇のヒロイン」でもないだろう。
それを悲劇と言うならば、悲劇なのはむしろ職場で10も年上のオバハンに亭主奪われた、元の奥さんの方ではないだろうか。

姑息な話題取りに頼るコトなく、どうせ映画を作るなら内容で勝負出来る映画を。
テレビも、安易なタイアップ事業へのトラフィック誘導ばかりせずに、ちゃんと視聴される番組作りを。
そういう姿勢が、求められているんぢゃないだろうか。