小物にこだわる

デュポンのライターと言えば開閉時の独特の金属音が有名だが、タバコに火を点けるだけならこんな数万円もするライターなど無くても、たとえば喫茶店のサービスマッチでも用は足りる。
しかしながら「タバコを吸う」という時間を、そしてタバコを吸う人自身を、さらに上質なものへと演出するアイテムとしてこのライターは存在している。
その昔、上司とブランドショップを冷やかしていた時に、デュポンの売り子さんが言っていたコトバだ。
まぁこのヒトの完全オリジナルというワケでもなく、セールストークとして長年引き継がれて受け継がれたコトバなのだろうけど、かなり含蓄のあるコトバだと思う。

腕時計にも同じコトが言えて、携帯電話がマストアイテムの現代において、わざわざ腕時計を身に付ける必要などはっきり言ってない。
しかしながらアクセサリーを身につける機会が少ない男性にとっては特に、服装に合わせた時計を身に付けることによって、そのヒトの個性を何倍にも引き立たせる効果があると思う。
たとえば、恰幅の良い中年のちょい悪オヤジ風なら、ベタだけど腕にはロレックスが似合うと思うし、これがカシオではハッタリもなにもあったもんでない。
ではカシオがダメだというとそうでもなくて、カシオには「Gショック」という傑作があって、時と場合によってはコチラの方がピッタリはまる場合だってある。

純粋に「現在時刻を知る」という目的で考えるなら、自動巻きとはいえ一日で分単位のズレが生じ、しかも定期的なメンテナンスが必要なロレックスは適当とは言えない。
一秒たりともズレてはならないのであれば電波時計だろうが、ソコまで行かなくても年差数秒程度のクオーツであれば問題はないだろう。
あと、型遅れの腕時計を電池交換に出すのが気恥ずかしくて、ややもすると電池切れが新しい時計購入の契機になってしまいがちなのだが、機構的には申し分ないのに買い換えるというのも勿体無い気がする。
それで、電池にはやっぱり光発電機能を備えたものが好ましいと思う。
それと、これはささやかなこだわりでもあるのだが、腕時計の文字盤は「黒」と決めている。
別にだからどうだというワケでもないのだが。

腕時計繋がりでシチズン福山雅治とのコラボレーション企画第一弾、フリーマガジン『REAL SCALE』が創刊された。
ほぼ季刊誌としての発行を予定し、シチズン腕時計取扱店の主な時計売り場で配布するというから、見かけた際はどんなもんか是非手にとってみて欲しい。

ちなみにライターは、ティファニービーンズの純銀製を愛用していたが、禁煙を境に仕舞ったままになっている。
あれの為にまたタバコを吸おうかと、時々思うコトがある。